ここ最近は夏は東北の山シリーズが続いていましたが、今年の夏休みは東北もアルプスもどこも悪天予報続き。どこか晴れている山はないのか?と調べて行き着いたのが北海道は利尻島の利尻山。ANAマイルも余っているし前から気にはなっていたので、行っちゃうか!で行っちゃいました。
利尻山は鴛泊コースを往復するのが一般的なようですが、あまり深く考えずに沓形コースから下るプランで宿も段取り、直前に買った山と高原地図で点線ルートになっているのを知り、「あら?大丈夫かコレ?」と先人の方々のレコも参考にさせて頂き、行けそうだと判断してレッツゴー。
15日に飛行機で島に入りましたが、写真にある通りこの島だけ雲がかかる天候。上空から見ると山が雲を作っているのがよく分かりましたが、これは普通の天気予報で推察するのは無理ですね。この時点で山の天気は完全に運任せだと覚悟。

16日登山当日に鴛泊(おしどまり)を出た時はどんより曇り空でしたが、低層の雲だったらしく少し高度を上げたら日差しが差してきて、6合目から上の見晴らしの良い場所では、海も青空も雲海も利尻山もバッチリ拝めて、最高の天気でした。

鴛泊コースは登山者も多く、崩落が進む山頂付近も整備がかなり進んでいる印象で、思ったより歩きやすかったです。(1回だけ砂で滑ってコケましたが)
山頂に着いても晴れが続き、360°を海に囲まれ、本当に山の神に感謝しました。


問題は沓形(くつがた)コースの下り。上級者向けというのは覚悟して進みましたが、なかなかワイルド&デンジャラス! 山頂直下は草で道が見辛く急下降する箇所もあり、さすがにカメラは仕舞って慎重に進みました。崩壊地点のトラバースも砂でズルズル滑りますが、落石も怖いのでさっさと通過。ここまでは良かったんですがその先の普通のトラバースでホッとして油断して歩き始めたら、草に隠れた土がえぐれているところが何個所があり、踏み外して滑落しかけました。危ない危ない。

三兆山に着いたところで利尻山を眺めると、鴛泊コースで見る姿とは全く異なり、剱岳のような急峻な山肌を眺めることになります。こちらはより崩壊が進んでいる印象でしたが、何か神がかっている感じでもありました。

実際、稜線を進むにしたがって無風かつ直射日光で相当暑くてバテ気味になった時に、「風が欲しい~!」と思わずつぶやいた途端に、ひんやりしたガスが上がってきて助けられたり。この他にも山の神に見守られているんじゃないかと思わせるシーンがありました。山って不思議。

7合目から下は楽勝と思いきや、2日前の雨のせいかぬかるみが多く、とにかく滑るので常に気が張ったままの状態が登山口まで続き、心底疲れました。利尻山は途中の水場が無いため、水分補給も残りを気にしながら摂取するのでそのあたりの調整も難しいなと感じました。ちなみに私は2リッターでちょうどくらいでした。

利尻島は深田久弥が書いている通り、島全体が山のようなもので、天気も水も海産物も観光も、利尻山がもたらしてくれているものだと感じます。離島の独立峰を体感できたことで、山のありがたみをあらためて知ることができた。そんな気がする山行でした。生うに丼のほかうまいものもたくさん食べられたし、思い切って利尻島まで足を伸ばして良かった!