久々にデジタルグッズネタいきましょうかね。ネタのストックはいっぱいあるんですが(笑)、つい最近のマイホットということで、Amazon Kindle DX(キンドルDX)の話です。
今年の1月27日にAppleがiPadを発表したことで、北米ではさらに熱くなってきたと思われる電子書籍市場ですが、Kindleは米Amazonが2007年に発売して以降、着実に利用者を増やしているデバイスで、現在は通常の6インチ版が2世代目、これに加えてiPadと同じ9.7インチのDXが販売されています。
日本のAmazonを利用している方は一時期トップページにどどーんと載っていたのでご存知かとは思いますが、今は日本からでも購入できるようになっています。というか、インターナショナル版として世界各国で購入できるらしいです。しかーし、リンク先にいくとそこはAmazon.co.jpではなく、米のAmazon.comのサイトに。そう、日本から買えるといっても北米のアマゾンでしか買えないのです。これは敷居が高い。
それもそのはず、Kindleで読めるのは今のところ英語の洋書のみ。日本の書籍は購入できません。いつものように著作権だとか何だとかの事情なんでしょうが、音楽配信にしろ映画配信にしろ、日本はいつも後手に回っている気がしてならない。そうこうしているうちに既成事実を作られて結局iTunesとかに市場を奪われてしまうのに。。。
さて、私が興味を持ったきっかけは、やはりiPadの発表を見たからです。普段、新聞をとっておらず、ニュースはもっぱらWebで毎日チェックする、というスタイルなのですが、本当はじっくり新聞を読みたい気持ちがありました。ビジネス雑誌も本当は色々読みたいのですが、何せ家にすぐたまってしまうと回収に出すのが面倒。もしこれが電子書籍で毎朝届くのなら、これはすばらしいのではないか?と思いまして、それを既に実現しているKindleに急激に興味が湧いてきたわけです。いやまあ、中身が英語なのは変わらないんですけどね(汗)。
私が購入したのは高くてでかい方のKindle DXですが、これも新聞・雑誌を読みたいというのと、iPadの室内での利用イメージが重なったからです。iPhone持ってるし、電車の中で使うつもりは無かったので。

さて、勢いで米Amazonでクリックしたわけですが、2日もたたないうちに届いてしまいました。発送元がアリゾナ州のフェニックスなのに、UPS早ぇー!
さてこのKindle色々な特徴がありますが、主な点は以下の通り。
(1)画面はE inkという電子インク
(2)キャリアとの契約無しで3G回線で通信
(3)Amazon Storeでの購入の他、PDFファイルも閲覧可
(1)の電子インクは新鮮です。届いて箱を空けた際に画面に使用方法と電源を入れる方法が書いてあるのですが、これがシールではなく画面の電子インクで書かれていました。電子インクは画面の書き換えをしない限り電源を利用しないため、こういう事が可能なのですね。これは最初皆驚くと思います。
ただ、画面書き換えはワンテンポ遅いしタッチパネルでも無いので、iPhone利用者は特にストレスを感じるかも。確かに電子インクはバックライトも無く、本当に印刷されているかのようで、フォントも綺麗で見やすいですが、ふと昔のモノクロ液晶を思い出してしまいました。テクノロジーが凄いのは分かるのですが、人によっては高い割に「ショボイ」を思われてしまうかも。
(2)の3G回線通信は地味にすごいです。どこのキャリアを使っているのかも意識させずに、電源オンでAmazon Storeに繋がるし、本が購入できます。回線費は書籍代に2ドルほど上乗せしてAmazonが負担しているようです。これまでキャリアとの契約を意識させずに3G回線を使うサービスって、あまり無かったんじゃないでしょうか? 余談ですが、海外でも同じ概念なので、海外に持っていっても意識せずに使えます。本当に世界どこにいても、書籍を買って読めるのです。
(3)のAmazon
Storeでは、今のところ30万を超える書籍が購入できます。これは本国よりも少ないらしいですが、それでもかなりの数にはみえます。新聞・雑誌も北米の主要なものは一通りあります。新聞では、日本からは毎日新聞と、最近、朝日新聞が販売を開始しました。当然、英字ですけどね。(写真は朝日新聞のトップページ) 悲しいかな北米以外だと写真などがカットされてしまうらしく、一部のトップページ以外は文字だけ。結構さみしい。
あとPDF閲覧機能ですが、これは日本語フォントを埋め込んだPDFならそのままイメージで表示できるので、PDF化した書籍なら日本語で読めます。あたりまえですが。手がかかりますが、Kindleで日本の書籍・マンガを読む方法があるのというのは大きいですね。
まだそれほど使って無いのですが、インプレッション。
新聞・雑誌は2週間試用できるので「Herald
Tribune」と「Asahi
Shimbun」の2紙、あと雑誌で「Newsweek」をチェック。正直、ネイティブじゃないと英語では厳しいというのが印象。新聞や雑誌って、日本語だとパッと全体を俯瞰して、どこにどんな記事があって、どんな事が書いてあるかが判断した後、興味のある記事をじっくり読めるのですが、英語で全体俯瞰ができない上に、見出しを表示させるのに数アクション必要なため、気軽に読むのが難しい。これは慣れかもしれませんけどね。
そういう意味では、頭から洋書の小説などをじっくり読むというのには向いているかも。
私は画面の大きいKindle
DXを選択しましたが、家でじっくり読む分にはこれで良かったかと。薄いので大きくてもスマートな印象だし、なんか未来的な感じがするし。あと、電源OFFするとランダムに詩人の絵とかが表示された状態になるんですけど、結構色んな絵があって素敵なので、普段は写真立てみたいなので飾っておいても良い感じだと思いました。そのためにテーブルが欲しくなってきたくらい。
しかしこれが日本の書籍・新聞・雑誌が購入して読めるようになったら、かなり便利だし使いたいと思った。今は邪魔になるし面倒という理由で書籍から遠のいているが、Kindleで使えたらかなりの市場が生まれるのでは?
ただ、iTunesは洋楽から既成事実を作っていって日本市場を開きましたが、書籍は洋楽のようには浸透し辛いから、時間はかかりそうですね。
いずれにせよ、コンテンツ・プラットフォーム・デバイスを連携させて提供するサービスは、北米から黒船のごとく押し寄せてきてますね。既存の市場を新市場に昇華させる北米企業のパワーはすごい。まだまだデジタルで出来る事はあるんですね。
さーって、TOEIC対策として今日もKindleでNewsweek読むかな…