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WESTERN AUSTRALIA 2

ウエスタンオーストラリアには、イルカにタッチでき餌付けもできるモンキー・マイア(Monkey Mia)というところがあります。しかしここはパースの北500kmにあるため、車で日帰りというわけにはいきません。

PERTH – Geraldton

7/MAR/96

イルカとの出会いを求めパースを旅立つ。500kmの道のりを走り、果たしてイルカと出会うことができるのか、いささか不安である。ハイウェイを北上する。ノーザンテリトリーを走っていたころに比べると、ずっと穏やかな景色が続く。しばらく走っているうちに、仲間の一人が体の調子が悪くなった。予定ではモンキー・マイアまで一気に走るつもりだったが、途中の比較的大きな町のジェラルトンで病院に寄ることに。保険に書いてある電話番号に電話をかけて、日本語の分かる医者を調べてもらったものの、この辺りではパースにしかいないことが分かった。仕方なくこの町の病院を捜し、診察してもらう。看護婦も医者も終始笑顔を絶やさずフレンドリーで良かったのだが、いかんせん英語の医療用語は難しく、医者は一所懸命リアクションで説明しようとしてくれたが、結局、国際電話で(なぜか)シンガポールにいる担当者と、訳してもらいながら診察をした。

ジェラルトンの病院。看護婦も医者もとても親切。結局お金を払うこともなかった。保険にはちゃんと入っておきましょう。

この日はこれ以上先を行くのは困難と判断し、この町のモーテルに泊まることにした。ここのおばちゃんもフレンドリーなのだが、冷えない冷蔵庫と、効きの悪いクーラーにはちょっと参った。

Geraldton – Monkey Mia – Geraldton

8/MAR/96

ジェラルトンで一休みとなってしまったが、いよいよモンキー・マイアへ向け出発する。起伏のある道が続くが、カーブが緩やかなので気持ちよく走れる。ハイウェイから別の道に入ると、右に左に海が見えてきた。人気が無く美しい。こんな所でのんびり泳げたらいいなと思う。

いったんデナム(Denham)という町に入り、そこからモンキー・マイアのあるシャーク・ベイ(Shark Bay)を目指す。しばらく走ると目的地に着いた。車を出るとかなり暑い。我々は早速海に向かった。いつイルカちゃんが来るか分からないからだ。

砂浜には結構観光客が来ていた。新婚カップルっぽい日本人もチラホラである。海を眺めつつ時が過ぎていく。果たしてイルカは来るのだろうか? 不安に思っていると、遠くの海面にジョーズよろしく背ビレが見えたような気がした。しばらくすると少し近くに…。イルカだ! レインジャーが慣れた手つきで近づくイルカを餌で迎える。ここではレインジャーのいうことは絶対だ。

イルカは砂浜近くを何度もターンする。その間にタッチするのだ。私は何とか1回だけタッチできた。その後は、観光客の餌やりタイムになるのだが、1人ずつ指をさされた人だけが餌をやることができる。はっきりいって子供、老人、女性が選ばれる。仲間の1人が運良く選ばれた。

仲間の1人が運良く餌やり権(?)をゲット。イルカは相手が誰であろうと、餌をくれる人はトモダチだ。

イルカタッチもすんなりいったので、モンキー・マイアを去ることにする。その途中、シェル・ビーチ(Shell Beach)に寄ってみた。ここは本来砂浜であるはずのところがすべて貝殻になっているビーチだ。見事に貝殻だけで、普段着で寝そべっても砂が全くつかない。ただ、海に足を入れると、貝殻がバチバチ足にあたって痛い。泳ぐには不向きだ。

シェルビーチを後にする。晴れわたり青々とした空と貝殻の白さのコントラストが美しい。

行きと同じくジェラルトンまで戻り宿をとる。捜すのが面倒なので同じモーテルだ。明日はピナクルス(Pinnacles)を目指す予定だ。

Geraldton – Cervantes

9/MAR/96

ピナクルスへのツアーが出ているサバンテスへ向かう。来た道を戻り、海へ向かう道へ入る。標識を頼りにジグザグ走ると、町が見えてきた。ほとんど住宅ばかりの小さな町だ。シェルのペトロステーションでツアーの予約をするが、翌日のツアーになった。仕方ないのでここで腰を落ち着けようと、宿を捜す。手頃なのはないか捜していると、「~モーターホーム」の看板。受付玄関のチャイムを何度も鳴らし、出てきたオッチャンに聞くと、1人15ドルとのこと。見れば3つの寝室で7人分のベッドがある。キッチンも広い。洗濯機(コインじゃない)もある。こんなゴーカな部屋(というより家)が15ドルなんて、クーラーが無いのを差し引いてもおつりが来るくらいだ。午後いっぱい暇なので大正解だった。そんなわけで、カードゲーム等をやり、久しぶりにゆっくりと過ごした。

この広さ&天井の高さ! 自宅にもこんな広い部屋はないぞ。家を借りているのと同じ。

Cervantes – Pinnacles – PERTH

10/MAR/96

今日はピナクルスツアーの日だ。ピナクルスへの道のりは舗装路ではないので、2WDの車にはチト厳しい。サバンテスからのツアーは15ドルなので手頃である。バスにガタガタ揺られてウトウトしかけた頃、周りに墓標のような岩がいくつも現れた。ピナクルスの中に停車し、降りて周りを眺めると、同じような岩が遠くまで無限にある。確かに不思議な景色だ。ただ、ここまでイロイロなものを見てきた私には、不思議も慣れてしまって、驚きではなく、「なるほど」という思いであった。風が強く、砂が目に入るのはちょっと困りもんだった。

ポツンと一人立ってみる。夕方の方がより神秘的かもしれない。
下は砂漠のような砂だ。風で舞い上がって目が痛くなる。コンタクトの人は要注意。

ピナクルスを後にして、海に出た。海岸で何やら説明しているようだが、さっぱり分からず、バスに戻りまた移動する。しばらく走ると湖というか池というか、とにかく水がある所に出た。そしてここにはストロマトライトという古代生物らしきものがあった(いた?)。岩のようだが近づくと硫黄のニオイがなかなか強烈。こんなものに生まれなくて良かったと思いつつ、「これはこれでのんびりできていいかな」なんて思ってしまう。

ストロマトライト。くちゃい。

サバンテスに戻ってすぐパースに向かう。パースではジュエル・ホテルというYMCAのホテルに泊まった。10階以上の高さがあり、ベランダからの眺めも良かった。

Rockingham

11/MAR/96

本当は今日はウェーブロックを見に行く予定だったが、近場がいいのと、岩はもうおなかいっぱいっちゅうことで、パースの南にあるロッキンガムに向かった。ここではペンギンやアシカが見れるらしい。日程の都合でサウスオーストラリアのカンガルー島を断念していたので、海の動物さんとお近付きになれるチャンスだった。フリーマントル(Fremantle)をぬけて、ロッキンガムに着く。ここにはペンギン島(Penguin Island)とシール島(Seal Island)がある。ツアーを申し込んで、のんびりコーヒーをすすっていたら、遅刻してしまった。係りのおじさんがすでに離岸していた船を呼び戻して乗せてくれた。他の観光者に「ソーリー、ソーリー」と平謝り状態であった。シール島には船で近づくだけだが、アシカがのんびり日向ぼっこしていた。ペンギン島では野生のペンギンが見れるとのことだったが、飼われているペンギンは見たものの、季節が違っていたため、外では見なかった。その代わり、島のくぼんだところで、でっかいアシカが昼寝をしているのを間近で見ることができた。

日向ぼっこをするアシカ。町からすぐなのにこんな風景があるのだ。
室内の子ペンギン。後ろ向きになったと思ったら、突然フンを発射された。

パースに戻ると、繁華街のノースブリッジ(Northbridge)へ、道端のテーブルで魚料理とワイン。何の魚か分からなかったが、結構おいしかった。そしてこの日もジュエル・ホテルへ。

PERTH

12/MAR/96

いよいよ今日は最終日。パースで土産物を探すことにする。道中腐るほど(腐ってた)カンガルーの死体を見ているのに、カンガルーの革の財布なんか買っちゃったりする。

レンタカー(こちらではハイヤーと呼ぶ)をハーツに返す。天井にタバコの焼けた跡があり、また、パース市内でいつのまにかアンテナが根元から折れていたが、変な話になると困るので何も言わなかった。カードで支払ったが、自分のカードは残額が24万を切っていたらしく、使えなかったので、急遽仲間のカードで支払った。

その後、モール沿いにあるオープンカフェでアイスコーシーをすする。車も通らないし、カラッと天気が良いので、ヘタに室内で飲むよりも気持ちがいい。渋谷や六本木なんかによくオープンカフェを見かけるが、日本には向いていないように思う。車の騒音、排ガスはもちろんのこと、日本の夏は湿気が多く蒸し暑い。カラッと晴れている中で飲むのがキモチイイのだ。

ショッピング・モール。こんな所のオープンカフェは渋谷なんかのとは比べものにならない程良い。
実は上の写真と同じ場所。方角が変わるとすぐビジネス街が見える。コンパクトだが広々としている街だ。

日が傾いてきた。そろそろ空港に向かわねばならない。タクシーに乗り、空港へ、運ちゃんがいろいろ話し掛けてくる。本当にオージーはフレンドリーだ。そしてそのオージーともお別れだ。オーストラリアは2回目だったが、ここの魅力は大自然もさることながら、このオージーの人柄にあると思う。こんな旅ができたのも、聞けばなんでも答えてくれる、聞かずとも教えてくれるオージーたちがいたからだろう。そしてまた、この国に来たい。そう思えるのだ。

オージーは困っていたり不安になっている我々によく言っていた。

「ノープロブレム(No problem)」と。

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