確かに傑作 スズキ スイフトスポーツ(6MT/ZC33S)
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確かに傑作 スズキ スイフトスポーツ(6MT/ZC33S)

相変わらず間を空けすぎなブログですが、今回は昨年2023年3月に納車されたマイカー「スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)」について、だいたい1年以上乗ってきましたので私なりの感想とか書いてみたいと思います。まあこのクルマについてはユーザーも多く、自動車評論家をはじめとして巷でもかなりレビューがあふれておりますので、今さら私がどうこう書いてもってのはありますが、ま、マイカーのことは過去もブログで書いているので、こいつも書かねば不公平だなと。(笑)

納車日は土砂降りの雨…ボディはレッドで屋根は黒の赤黒ツートンカラーが割と似合う(と思う)。

一時期バイクのブログ記事ばかり書いていましたが、バイクに乗り始めたころは以前ブログでも触れたボルボのV60がマイカーでした。ただ、とにかく走りに行くのはバイクが楽しすぎたのと、2021年もまだまだコロナの影響が続いていて気持ち的な面も含め登山自粛やゴルフ自粛も続いていたこともあり、クルマを使う機会が激減して、2021年の夏ごろにバッテリーの電圧低下を恐れ、用もないのに車を走らせに出た際に、「維持費もバカにならないし、クルマいらなくね?」となって、9年目に突入していたV60を2021年9月に売却してしまいました。(当時の某BIGにw)

そこからはカーシェア生活に移行していたのですが、ぶっちゃけ全く不便はありませんでした。自分はマイカーを自分好みにカスタマイズとかしない人なので、それができないことに不満はないし、用途に応じてクルマも選べるし、2社契約していたのでなんだかんだで予約は取れないことは無かったし、維持費は圧倒的に安いしで、これで1年半くらい過ごしていたわけです。

ただ、実家の高齢の親が入院を繰り返し、病院の送り迎えなども頻繁に必要な状況になると、実家の方はカーシェアのインフラが今一つ弱く使いにくくなるのと、当時ちょっとEVに関心が高かったのでEVを所有したらどうかというシミュレーションやEVの車両比較をしているうちに、EVは補助金含めてもまだ高価なのと、過去のスマホと同様にEVは今は成長期なので、買っても数年ですぐ陳腐化するのでは? という思いが強くなり、もう少し普及期になる前に、もうじき無くなっていくであろうガソリンのマニュアル車を最後にもう一度乗っても良いのでは? もう大きいクルマはいらないのでコンパクトカーで良いのでは? スズキってバイクも車も安くて良いモノづくりするよね?(←鈴菌) ってことで、6MTのスイフトスポーツに一気に自分の関心が集中し、試乗した3週間後には納車という、2023年3月当時ではありえない納車スピードでマイカー所有に返り咲いた次第です。(当時トヨタなどは納期半年以上がザラだった)

何を血迷ったかいまさらマニュアルに回帰。でもシフトフィール良いしトルクあるのであまりシビアじゃないから楽しい。

このスイフトスポーツ、まず試乗して驚いたのがどっしり感。外観はコンパクトだし、車重も1トン切っているし、何せ自分が乗っていたのがボルボなので、スイフトスポーツもカーシェアで借りたコンパクトカーたちみたいな軽い感覚を想像していたために、結構衝撃でした。いわゆる剛性感が高いという感じ。そしてハンドルも遊びが無く締まってるし、アクセルを踏むとなかなかにモリモリなトルクが。低速からまんべんなくトルクが出るのと、どっしりしていたはずの車両が即座にグンッっと前に出ていくので、どんどんスピードを上げたくなる。超久々のマニュアルで多少はギクシャクしてしまいましたが、トルクに助けられ楽しくギアチェンジできました。とにかくこれが200万ちょっとのプライスというのはすごいなと思って、一気に契約してしまいました。

今どき珍しく(?)マフラーの主張が激しいリアデザイン。スイスポは3ナンバーで踏ん張り感ある見た目。

で、実際にオーナーになっての使用は、実家の行き返り、ゴルフ、買い物、ちょっと登山って感じですが、全くもって不満は無いです。まずあらためて思ったのが、コンパクトカーって日本に合ってるよな。というところ。どんな道でも、どんな狭い駐車場でも躊躇なく突っ込めます。スイフトは競合ひしめくコンパクトカーの中でも全長4mを切る、よりコンパクトなサイズなのですが、比較的立ち気味のフロントガラスのデザインが効いているのか、中にいるとキャビンはひとクラス以上大きく感じます。実際なぜか後席も狭くは感じません。そのくせ、荷室は奥行はそれほどないけど深さがあるので、結構積める。ゴルフバッグとかは後席を畳んで入れれば良いし、使い方はV60と変わらないなと。

立ち気味のフロントガラスのおかげか、室内空間に余裕があるのと、運転視界も良好。

このクルマのカタログに、「ステアリングが、ドライバーの神経と繋がっている。」というフレーズが記載されているのですが、これはまさにそんな感じだなと思いました。クルマの運転って、路面のフィードバックなどの情報を身体で感じるのと、それを受けて自分がステアリングやアクセル、ブレーキでコントロールする、という流れになりますが、そこの間を取り持つパーツとチューニングに1つも妥協が無い感じ。まずコンチネンタルのスポーツコンタクト5のタイヤを履いているってのが大きいかなと思いました。首都高の急カーブなど、V60では身体で感じる慣性から、無理のないコーナースピードはこのへんだなーという感じで減速していたのが、スイフトスポーツではいくらでもグリップして安全な姿勢で曲がっていく、という感覚があります。車両の軽さとガチガチに締められているボディ剛性、それをバランスよく支えるモンロー製サスとの合わせこみがバッチリされていて、非常にダイレクトに反応してくれて路面との対話ができる、だけどタイヤのキャパシティにはだいぶ余裕がある、そんな感じです。

1トンを切る重量に1400ccターボなので、ぶっちゃけメチャ速いです。ですので、自制心が試されるクルマですね。でもギアは割とクロス気味なので、飛ばさなくても楽しく運転できます。面白いことに1~6速ギアの速度レンジが今乗っているバイク(MotoGuzzi V7III)に近くて、ほとんど同じ感覚でシフトできるのが良いです。どちらも低中速のトルクモリモリですしね。ただ、最初このトルクは100%ターボの恩恵かと思っていたのですが、ブースト計表示にしても低速域ではあまりターボは効いてきていないんですよね。軽い車体に1400ccというだけで、結構なトルク感は出せちゃってるんでしょう。踏み足すとターボが介入してきますが、はっきりいってブースト計見てないと分からないくらい境目ないので、感覚的にはまるで2500ccくらいの自然吸気エンジンのような感じがします。V60も1600ccターボでしたが、こちらはいかにもターボって感じのドッカンターボだったので印象がまるで違います。

冬山登山にもラバーチェーンで対応。スタッドレス買うのはさすがにコスパ悪くて…

V60との比較でいうと、値段もクラスも違うのでさすがに各所の質感、あと安心感は全く違います。ドアの重さも全然違うし。(ボルボ重すぎだけど) V60はコンフォート、スイフトスポーツは文字通りスポーツを突き詰めているので、V60は革シートやデザイン、色使い、素材の使い方など、チープと感じる部分はあまり無かったですが、スイスポはセミバケットシートや革のハンドル、ステンレスが入ったペダルなど、運転に直結する部分は妥協が無い感じですが、それ以外の部分の割り切りはさすがスズキと思うほどに潔いですw。後席のドアまわりなんて、なんの飾りっ気もない一体ハードプラスチックですし、中央のルームランプも無いですし。これは今年世代が変わった新型スイフトでも無かったですね。ある意味清々しいです。

V60の時に、「ロングドライブが楽しい」と書きましたが、スイフトスポーツはロングドライブはちょっと疲れます。というのもステアリングがそこそこリニアなので、細かく修正舵を入れてしまい、それが長時間続くと疲れちゃうかなと。その点、V60はゆるゆるで楽チンでした。まあスイスポはアダプティブクルーズコントロールも完全停止までできないので、高速の使い勝手については覚悟していましたけど。いやむしろMT車なのにアダプティブクルコンが付いていることが驚きでした。(使ってないけど)

シルバーのメーターデザインが好み。でもフルスケールの速度計なので1/3くらいの領域しか針が動かない。

ちなみになぜ赤黒のカラーにしたのかというと、スイフトスポーツって内装の各所の差し色に赤が使われていて他のカラーが無く、一方でドアの内側一部がボディ色むき出しなので、ボディと色が合わないとなんかやだなと思ったので赤にしたかった。というだけの理由です。スイスポというとチャンピオンイエローのイメージが強いですが、この赤黒のカラーも意外と実物は良くて気に入ってます。ミニと同じようにツートンが似合うボディシルエットをしていますねスイフトは。

実際に約1年所有して、走行距離は5000km弱です。自分的に購入1年目としては相当少ないですね。これはホント、バイクのせいです。スイフトスポーツは6MTの走りの楽しいクルマですので、「走りを楽しみに出かける」はずのクルマだし、事実走るのが楽しいクルマなのですが、その座はバイク(V7)に奪われています。ホントごめんなさいって感じ。それくらい自分の中では二輪と四輪の楽しさレベルが違いますね。そういう意味では私のスイスポ君はちょっと可哀そうだったかな。

折り畳み自転車を積んで、行った先でサイクリングも。ただの移動も楽しくなります。

でも面白いなと思ったのは、スイスポってその軽さと、クルマとしては遊びなく締まった車体、低い重心でコーナーをトラクションかけながら曲がっていく感覚がバイクにやや近いのに対し、バイクとしては緩めのスチール製ダブルクレードルフレームと、シャフトドライブ&乾式単板クラッチで安定感あるコーナリングをするモトグッチV7がちょっとクルマっぽさもあるので、先に述べたギアレシオやトルク感も含め割と近い感じがするんですよね。もちろんエンジンは4気筒と2気筒で鼓動感なんかは全く異なりますが、両方乗ってて割と近い感覚で楽しめるなってのが意外な発見でした。

スイフトスポーツは1400ccで自動車税が前車より安くなるし、1トン切りの重量なので重量税も安めになる。さすがスズキです経済性も抜かりなし。ハイオク指定なのはちょっと痛いけど、リーズナブルに走りと実用性を両立させており、これぞ日本のエンジニアが考えに考えを煮詰めて作ったクルマですね。新型スイフトにもスイフトスポーツがたぶん出てくるでしょうけど、それがどうなるかも非常に楽しみですね。(買わないけど)

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2 comments
  • 今晩は。
    スイフトスポーツを買っていたのですね。
    会社に勤めている時は、このスイフトの初代(確か660㏄の軽自動車「Kei」の幅を広げて1200㏄のエンジンを積んだもの)に、私の部署専用の社有車として10年間乗っていました。4WD車で、サイドミラーは手動でしたが、寒冷地仕様だったのでシートヒーターは付いていました。
    車長は軽自動車と変わらないので、千葉の狭い道を行くには便利でした。多少の雪は、4WDだったので走れました。なんといっても燃費が良いので、東日本大震災で燃料が買えない時は助かりました。

    • コメントありがとうございます。
      おお、初代のスイフトに乗っていたことがあるんですね!
      千葉も狭い道が多いですから、コンパクトで取り回しの良いクルマの方が機動力はありそうですよね。4WDで軽量コンパクトとなると、ほんとどこでも行けそう。4WDなのに燃費が良いってのもさすがスズキですね。コンパクトカーでも全長4m超えるクルマも多い中、いまだに4mを切るサイズで使い勝手を追求しているのは好感が持てます。本当は最初ジムニーが気になっていたのですが、高速の使い勝手(と納期)を考えてやめました。(笑)

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