愛すべきポンコツ野郎 モトグッチV7III STONE
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愛すべきポンコツ野郎 モトグッチV7III STONE

バイクの記事が続いておりますが、完全にどハマりしているので今回もバイクに関して。4月より乗っているモトグッチV7III STONEの5ヶ月7500km走っての感想というか、感じたことを書きたいと思います。

結論を最初に書くておくと、タイトルにある通り私のV7III STONEは「愛すべきポンコツ野郎」な感じで、「楽しくてしょうがない」というのが5ヶ月乗り続けての感想です。新車にポンコツはちょっと言い過ぎかなとも思いますが、”良い意味”でそう感じてます。

2つ前の記事でグラディウス400からの乗り換え直後の感想を書きましたが、その時に比べて、5ヶ月乗ってきたことでなんというか、「感性」の部分で「このバイクいいわ〜♪」と感じることが多くなってきました。たぶんモトグッチのオーナーさんは皆さん感じていると思いますが、このバイクに乗り出すときのワクワクポイント1つ目は、エンジンスタートの時でしょう。セルスターターを少し長めに押して、「グワングワング…ドゥルルルルン!」つー、なんか小学生かよと思う表現ですが、遠心力が強そうな重いクランクが回されて、点火と同時に車体が「ブルルルルンッ!」と横揺れするのが、「うっし、今日も行きますか!」ってバイクが起き出したみたいな感じがして、ワクワクできます。よく、V7の試乗レビューなどで車体が右に傾くトルクリアクションが特徴というのを見ますが、乗り続けている人の感覚ではきっとこの横揺れの方が萌えポイントです。

ちなみにツーリング仲間の水平ボクサー2気筒のRnineT Pureに乗せてもらったことがあるのですが、RnineTの方がエンジンをかけた時のトルクリアクションが大きいです。慣れてるつもりでかけたら思ってた以上にグイッと右に持っていかれました。RnineTは排気量が1169CCあるので、その影響もあるのかな? ただ、エンジンがかかった後の揺れはV7ほどは感じず、エンジンがスムーズに動いている印象でしたね。全体的にBMWの方が機械が精密に動いている感がありました。

さて、V7IIIの方に戻しますが、こちらは排気量はナナハンですが、ノーマルマフラーでもそこそこドスの効いた音が出るので、暖気がてら少しの時間その音を聞くのも良いんです。ただ、自分が思っている以上に特にお子様には恐怖感を与える音のようで、近所や出先でマフラー音を聞いたお子様が怯えてお母さんの手を掴みながら後ろに隠れるシーンを2度ほど見てしまってます。なので小さいお子様がいる時は「怖くないですよ〜」って感じでそーっと気を使って走ってます💦

21年モデルからのストーンはLEDになりましたが、このモデルまではハロゲンランプ。一部では行灯(あんどん)なんて言われてますが、夜困ったことは今のところ無い。

走り始めての気持ちがいいポイントは、大きく4パターン。1つ目が街中、下道をドコドコ走るところ。とにかくV7は低速トルクがあるので、低速域でもバイクの力を感じれるし、シリンダーが不等間隔で左右に動いているので、左右にドッコドッコ鼓動感を感じながら走れてこれがまた気持ちいい。速い車やバイクに抜かれても全く気にならない。マイペースで周りの風景を見ながら「楽し〜い」って感じで走れます。

2つめのパターンは峠道。ややきつめのカーブが続くところなどは緊張感はありますが、きっちりニーグリップして、肩の力を抜いて走るとリズム良くコーナーを走れて楽しいです。タイヤが細めなのと、スロットルレスポンスが穏やかかつ低速トルクがあるおかげで、思ったより登りの傾斜がきつかったり、カーブのRがキツくなってたりしても微修正がし易い。ミスに対しての許容幅が大きい感じがします。

3つめのパターンは〇〇スカイラインとかの、ゆるい高速コーナーが続く道。RnineTも乗った時に似たような傾向だなと感じたので、シャフトドライブの特性のためと思われますが、スロットルの開け閉めが車体のリーンに影響してこないので、オンザレールでコーナーを走れる感覚になります。なので、あまり難しいことを考えずに気持ちのまま走れて、純粋に風を感じて「サイコ〜!」って気分になれます。

で4つめが高速道路。よくV7は高速では「矢のような直進性」になると書かれていますが、自分の感性に従って表現すると、100km/hを超えていくと自分の股の下数十センチ下に、丸太のようなものがある感じになる。表現難しいけど丸太ほど太くはないけど鉄棒ほど細くはない感じ。とにかく強い力が股下の直進方向に効いてくるので、スピードを上げても不安感が無くトルクもついてくるのでヤル気になっちゃう。しかもあんま回せないOHVエンジンなはずなのに、6速だけはやけに速度レンジが大きい印象です。(100km/hより上の世界なのであまり具体的には書けませんが)

ということでこのV7III。なにが言いたいのかというと、「どんなシチュエーションでも楽しい!」ということ。ハッキリ言ってスペック数値は750CCとしてはショボショボなんですけど、どんなシチュエーションでも楽しいと感じるポイントがある。よく車とかでもイタ車は楽しい!なんてのをよく耳にしていましたが、ほんと狙ってこういう設計・チューニングをしてきているとしたら、イタリア人は楽しいマシンを作る天才なのかもと思ってしまいます。しかもこれ、乗り易いし長時間乗っても疲れない。RnineTに乗っている人にV7に乗ってもらったら、「なにこれチョーらくちん!」と言ってました。タンクも21Lあって400km以上は走れるし、足つきも良いし、欠点がほぼ無いと感じます。

ビーナスラインも爽快に軽快に、周りの景色を楽しみながら走れました。

さてさて、ここまで褒め尽くしたところで、私がポンコツと感じているポイントを書いていきましょう。まずは、これはウチの個体の問題かもしれませんが、エンジンかけるたびにアイドリングの調子が違うところ。現代のインジェクション車なはずなのに、エンジンかけた直後のアイドリングが、まれに回転数が落ちすぎてそのままエンジン止まることがあったりします。出先で発生すると「おいおい大丈夫かよ」って感じ。最近はエンジン止まりそうになる時はスロットル回しちゃいますが。。。とにかく毎回バイクの調子を「今日の機嫌はどうかな?」って伺う感じになってる。

あと、これは乗り換え当初も書きましたが、やはり他のバイクに比べてメカノイズが多いと感じる点。しかも日によって音の感じが微妙に変わるような気が。これはこれで今は「味がある」と感じてますが、以前ガサツと表現した印象のままでございます。

あとは、一時期トラクションコントロールがおかしくなって、トラコンONの状態だと回転上げるとすぐガクンガクンとノッキングみたいになっちゃって、トラコン切らないとまともに走れない子になってたところですね。その時は「イタ車が慣れない電子制御つけるから」とか思ってましたけど、バイク屋でキャリブレーションしてもらったら直りました。このバイクを買った時から故障やオイル漏れの覚悟はしているんですが、幸いにもこの件くらいしか問題出てないです。でもいまだに疑心暗鬼なので、信号待ちの時とかになにかお漏らししてないかキョロキョロ真下を確認しちゃったりしてます。(笑)

ちなみにV7IIIストーンは一眼メーターで、下部のディスプレイに各種インフォメーションが出せるんですが、シフトインジケーターは車速とエンジン回転数を元に計算しているため、表示タイミングがワンテンポ遅いし、バイクの走行状態によっては「3速やろ、いや2速やな」みたいに一瞬表示が間違うこともあります。あと、燃料警告灯が点いてしばらくするとTRIP FUELメーターの表示に変わり、大変ありがたいことに残りの燃料で走行可能な距離を表示してくれちゃうのですが、最初6kmとか表示されて、「まじかそれしか走れないのかー、やべー」とか思って走り続けるとどんどん走行可能距離が増えていき、6kmくらい走った頃には残り22kmとか表示されているスグレモノです。ついてないとブーブー言うからとりあえず付けといたぞなんか文句ある?みたいな機能がちょいちょいあるんかと。

※別の投稿のコメントで、燃料警告灯表示後の距離表示は残り走行可能距離ではなく、「点灯後の走行距離」が表示される仕様とのご指摘を頂きました。マニュアルの日本語訳が間違ってるようで、確かに英語表記では「リザーブ状態の走行距離表示」と読めます。V7IIIくん疑ってゴメンナサイ💦

マルチインフォメーションディスプレイは便利ですが、そんなもん見ないで感じて走れ!ってレベルの精度。時計も月で数分ずつズレていきます。

とまあ、ポンコツと言ってるポイントは、調子の幅だったり、楽しけりゃそれくらいええやろ、なところでして、その正確・精密に動く機械というより、たまに調子悪いけどゴキゲンにもなる機械って感じがまた良いんですよ。よく宮崎アニメなどでなかなか動かないエンジンが足で蹴っ飛ばすとかかっちゃうみたいなシーンがあったりしますが、あんな感じに見えてきて、最近このバイクに対し(ポンコツな)相棒って思いが強くなっております。

余談ですが最近、えのあきら作の「ジャジャ」というバイク漫画を読んでまして、イタリアンバイクの旧車の話がたくさん出てくるんですが、イタリアンバイクの歴史はレースの歴史であり、そこから派生していろんな市販車になっていて、マッシモ・タンブリーニとか、リノ・トンティとか、エンジニアデザイナーが試行錯誤していく熱い歴史を知り、ベネリ、アエルマッキ、F.B.モンディアル、MVアグスタ、ビアンキなどを渡り歩いたトンティがモトグッチに来て手がけたフレームによってV7スポルトが現在に続く縦置きVツインの基本デザインになったなんて話を知ると、これまた自分の愛車への思い入れも深くなるというもの。多少のいい加減な作りなんざ些細なことですわ〜、なんて。

ま、故障で長期入院なんてことになったら、「ふざけんなこのポンコツ野郎〜(プンスカ💢)」ってことになるかもしれませんが。

志賀草津道路からの毛無峠にて。多少の悪路も問題なし。左にいるのはツーリング仲間のR nineT Pure。クソかっこいい。
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1 comment
  • […] 下道ドコドコ、高速ビュイーン、高速コーナービッタビタ~は以前の記事でも書いた通りV7の「楽しい」ところではあったのですが、峠の1~1.5車線くらいの狭路のヘアピン交じりのワインディングでは、積極的にバンクさせると特に左のサイドスタンドがすぐ「ジョリジョリジョリ…」と擦ってしまうので、十分に減速して慎重に回るという感じでした。ま、V7は切り返しは軽快なのでこれでも楽しんで走ってはいたのですが、ふと、あまりバンクさせられないなら自分がリーンイン的に動いたらどうだろうと思って試してみたら、見違えるようにスイスイ安心感を保ちながら曲がれるようになりました。(今さら?w) […]

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