いつも通り停滞しがちなブログですが、停滞するにはワケがある。昨年末に普通二輪免許を取得しまして、バイクに乗り始めてからずっとハマっていたのがその理由です。って、言い訳になりませんね…
ワタクシ、これまでバイクにはほとんど興味を示した事がなくて、中学くらいの時にNINJAとか、CBRハリケーンとか、少し写真を眺めてたくらいで、この先も乗る事はないと思っていました。世代的にも(今もですが)、バイクというとちょっと悪ガキのイメージで、かつ大怪我するイメージもあり、「バイクなんて乗っちゃいけない」くらいの感覚がずっとあったと思います。
なのに40代後半で普通二輪教習通いを始めたのは、昨年10月に会社の知り合いに誘われたキャンプで、その人がバイクで登場したのがきっかけ。その人はいわゆるリターンライダーなのですが、車で来るもんだとばかり思っていたら、ヤマハのSRに乗って登場したのでビックリ! まあその時はバイクの車種などまったく知らないので、SRがどんなバイクなのかも知りませんでしたが。「バイク乗り始めたんだ、へー」くらいな印象で、そこですぐに自分も乗りたい、にはならなかったです。
がしかし恐るべきはYouTube。その人に「モトブログ」ってのがあると教えてもらい、なんの気無しにYouTubeで検索したらまあ色々なモトブログがあるわあるわ。しかもどれも面白い。バイク乗りの方のパーソナリティってのがあるんでしょうけど、知らなかったバイクの世界に引き込まれまして、「この歳で習い事して、さらにはバイクに乗る権利まで獲得できる」って良いな、と自分の中で勝手に盛り上がり始め、昨年11月初旬に教習所に入校。ただ、コロナ禍以降、教習時間に少し制限があるのと、二輪の免許を取り始める人が増えているらしく、予約を取るのがなかなか大変でした。原付すら乗った事がなかったので、最初の教習で一通り操作を教わった後、「ちょっと前に動かしてみましょう」と言われて動かそうとしてアクセルを握りすぎてタイヤバリアに突っ込むところからのスタートでしたが(汗)、12月下旬に無事卒業し免許併記。この歳で自己の成長と達成感を得る機会はなかなかありませんが、どんどん上達していくのが楽しかったですね。一本橋とか最初は絶対無理だと思ってましたが、あるところから急に落ちなくなりましたし、アラフィフでもまだまだやれるんだなと(笑)。
で、教習中に某有名チェーン店でたまたま見てしまい、即決で購入した中古のスズキのグラディウス400という400ccのバイクに乗り始めました。グラディウス400というバイクはすでに生産が終わっており現在のラインナップには無いのですが、なぜこれにしたかというと、高速使うので排気量は400ccくらいが良いと思っていたことと、乗った方の評判が良かったこと、このちょっと変わったデザインも好みだったこと、あと、スズキだったから(笑)。なんでか分かりませんが、バイクをいろいろ調べているうちに国産はなぜかスズキのバイクばかりに目がいってしまって、スズキの中から選んでいた節があります。これはもしや、早くも鈴菌に感染した???
バイク購入を決断したは良いが、マンション住まいで困るのが置き場所。これ本当に困りました。車と違い貸し駐車場が本当に少ない。あったとしてもすでに埋まっている。どうすればいいんだ?といろいろ調べているうちに見つけたのがコンテナストレージ。なんとなく季節モノの道具とか衣服だとかを物置代わりに使うイメージでしたが、バイクも保管できるんですよねこれ。なんとか近くの1.5畳のコンテナを確保し、そこに保管するようにしました。幸い、コンテナ前のスペースが広く、ラダーを置いてその手前でバイクを垂直に向けられる場所を確保できました。
コンテナストレージを借りるときに悩むサイズですが、1.5畳で大丈夫かなと思っていましたが、あまり余裕は無いものの収まります。グラディウスは全幅760mmですが、出し入れの際に油断するとミラーを少しぶつけます。バイクに絶対傷つけたく無い!という人は2畳以上の方が精神的に安心できます。でも結構月額アップがバカにならないんですよね。あと、1.5畳の場合の注意点として、開口部の床に南京錠をかけるための鉄の輪があって、これがラダーをかける際に邪魔になる。ここは自分なりに工夫し、ホームセンターでゴム製の小さいタイヤ止めと、家に余っていた木材を丸く削り、鉄の輪の上にラダーをかけられるようにしました。我ながらよく出来たアイデアだと自負。
バイクというのは車と違い教習中に公道に出る事がないので、自分で乗り始めるのが初めての公道になります。普段、車には乗っているので法規や周りの車の動きや流れには慣れているのですが、それがそのままカラダ単体で投げ出された気分。今までいかに車に守られているという安心感を得ていたのだと実感します。そしてETCが付いていたのを良いことにいきなり湾岸線に乗りましたが、最初はとにかく風圧がやばい!と思いました。ネイキッドだから余計そうなのもありますが、バイクの人ってみんなこんなだったんだとあらためて見直しました(笑)。話には聞いていたけどここまでとは。あと車と比べてミラーが見辛い、まあ車よりフルオープンなので目視はいくらでもできますが、慣れていないうちはあまり身体を捻るのもチト怖い。教習所は出しても40km/hがせいぜいなので、公道の流れだといろんな確認アクションは素早くやらないと危ない。バイクと車の違いは様々あるのですが、とにかくバイクは急には止まれない。フルブレーキみたいなことするとバランス崩して転倒するし、ある程度の速度で転倒したらその先は想像するのも恐ろしいです。
とまあドキドキの連続だった初バイク体験でしたが、そこから約3ヶ月で4000kmほど乗ってしまっています。この状況下なので近隣の日帰りソロツーリングばかりですが、自分でも驚くほどのペースで走り狂っておりまして、その間に大型二輪のステップアップ教習にも通い、3月頭に大型二輪免許も取得しました。大型二輪教習では普通二輪に比べ、よりバイクを操る技術を学びます。特に8の字をやった際に体の入れ方やニーグリップの甘さを指摘され、自分なりにライディングの姿勢なども見直したことで、ちょっとおっかなびっくりだったコーナーの曲がり方もだいぶ改善されたように思います。あ、そうそう、納車1週間後にラーメン屋の駐車場で立ちゴケしました。足でこいで右にフルロックして方向転換しようとして、曲がる方(右側)に自転車感覚で少し傾けてしまい「グラッ」と急に重みが増して抗う間もなくパタンと。マフラーとラジエターシュラウドとハンドルバーエンドに少し傷がついたのと、ステップのバンクセンサーの根本が折れました。いわゆる外装慣らし完了ってやつです。はい。
つーことで、スズキの名(迷?)不人気車のグラディウス400ですが、市販車より去勢された教習車以外のバイクに乗った事がないので、レビューらしいレビューはできませんが、初心者目線で言いますと。「すっげー良いバイク」だと思います。
400ccの中でもパワーがある方なので、トルクも馬力も不足に感じることはありません。特にこのV型2気筒エンジンが秀逸なんだと思いますが、低中速は力強いトルクがモリモリっとあるので、ギアをシビアに変えなくても低回転でもなんとかしてくれる。よほどわざとやらないとエンストもしないでしょう。余談ですが大型教習で乗ったホンダのNC750Lは、グラディウスの比じゃ無いトルク感がありましたが、低回転時にほとんど予兆なくエンストすることが何度かありました。普通二輪のCB400SFでは一度も無かったのに。なぜ? トルクがあればエンストし難いわけでもないようで、なかなか奥深いものですな。
でもってこの扱い易いグラディウス400ですが、こいつの最高出力55馬力は11000回転で発生します。他でも書かれていますが、このエンジンは7000回転半ばから豹変し、暴力的なパワーで加速します。身体が置いていかれそうになるくらい。ただこれを3速以上でやると日本では出せる場所がなくなりますので、高速で2速で試しての結果です。とても普段から使おうとは思いませんが、それだけこのマシンは受け入れる幅が広いということでしょう。また、Vツインということもあり車体がスリムなせいか、コーナリングも素直と言いますね。目線を向けるとその方向に曲がるという、いわゆるセルフステアがよく効くと言いますが、他との比較が出来ないのでよく分かりません。でも、走るほどに目線を先に送りながらのコーナリングに慣れてきて、コーナーを曲がるのがどんどん楽しくなってきています。見た目の奇抜感とは裏腹に、総じて許容幅の大きいこのバイクに、今は育ててもらっているのかなと感じています。
冬に免許取っちゃって、果たして寒い中ちゃんと乗り続けるのか? という懸念もありましたが、いろんな防寒対策をして、なんだかんだ天気が良ければ走りに出ていました。いやほんとそれくらい楽しい。なんでかよく分からないですけど、マニュアルでガチャガチャやって、エンジンのドコドコした鼓動音と、股下の振動、ガソリン臭。アクセルを開けて風を受け、コーナーでバランスよく傾けて、何なら渋滞の半クラ地獄も、全てが愛おしいという状態。これからがツーリングシーズンですし、緊急事態宣言も解除されるので、密にならないしオープンエアー、会話はインカムで飛沫も無しなこのバイク趣味。まだまだ続いてゆきそうです。