レッドブル・エアレース in 千葉 決勝観戦
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レッドブル・エアレース in 千葉 決勝観戦

GWはトラブルあり山歩きどころかまともにお出かけすら出来ませんでしたが、落ち着いたところで5月17日(日)に千葉の幕張で開催されたレッドブル・エアレースを観戦して参りました。
ので、来年以降観に行きたいっ! という人のためにレポート書きます。

エアレースとはなんぞや?という方は、面倒くさいので色々ググってみてください。(雑)
要はレッドブルが開催しているレシプロ単発機による、低空飛行パイロンコースのタイムレースです。ゼロ戦みたいなプロペラ飛行機が低空をブンブンと飛ぶレースで、「危なくないのか!?」と思うようなレッドブルらしい過激なスポーツなんです。正式には、「Red Bull Air Race World Championship」という名称で、世界で8戦行う世界大会ってことになります。

このレースは自分は2010年頃に、「面白いTV番組ねーかなー」とローカル局までチャンネル検索した際に、たまたまテレビ神奈川でやっていたのを見て、「なんじゃこのレースは???」と思ったのがきっかけ。当時にしては選手紹介などの演出も妙に凝っていて、腕組みした選手の周りをカメラがグルっと回る謎演出などやってました。しかもエアレースの選手は元空軍パイロットなど、経験がモノを言う競技のためか40~50歳代の選手が中心。いい歳こいた白髪髭面のオッサンどもが、今風の演出で選手紹介されるのがまたなんともカッコイイ。そんなこんなで競技の過激さ、演出の面白さで当時は見入ってた記憶があります。と同時に、「こんな危ない競技、絶対日本ではやらせてもらえないな~」と、生で見る機会など訪れることはないと思っていました。それだけに千葉・幕張で開催されると知った時、「絶対行く!!」とチケット購入に走った次第です。

と、いつものように前置き(?)が長くなりましたが、私がチケット購入したのは3月ごろ。既に先行発売は終わっていましたが、まだまだ各エリアのチケットはたくさん余っている状態でした。お値段はちょっと高いと感じますが、次もやるか分からないのでケチらず決勝Aエリアを確保。

決勝当日は、まー天気予報通りクッソ暑い晴れ。Aエリアのゲートには開門時間過ぎを狙い10時半頃に到着しましたが、先行発売と2日券の人の優先入場が終わっておらず、1日券組は入場待ちで長蛇の列。これは完全に予想外で、入場までに30分くらい要してしまいました。土曜の予選観戦の方の情報をネットでつぶさに調べていたので、入場後はまず観戦シート(500円)を購入、次にフードコートで食べ物を確保。この時間は比較的10~15名くらいの待ち行列で買うことができました。そこからは砂浜に出て、Aエリアの浦安寄りにずーっと歩きました。Aエリアはかなり広いエリアなので、一番千葉寄りがシケインとシングルパイロンの間あたり、一番浦安寄りが第4ゲートの横あたり。事前情報によると浦安寄りの方がいくぶん人が少なめで、かつ大型スクリーンが見えるところにいないと何をやっているのか分からないとの話も出ていたので、浦安寄りの第4ゲートの前、右手にほどよい距離にスクリーンが見えるところを確保。スクリーンに近すぎると、スピーカーの音に耳がやられそうな気がしたので、少し距離を置きましたが、これが正解でした。

まだ時間があるので、トイレの後、ビール確保に(会社の後輩が)走る。AエリアとCエリアの間のトイレは空いていて、並ぶことなく用を足せましたが、ドリンク売り場のキャパが弱く、特にビールは長い時間並んだようです。なかなか戻って来なかった。と、このイベントは単身だと場所の確保や飲食の確保が厳しいので、複数人で来た方がベターですね。

12時からチャレンジャーカップという、トップ選手ではない若手メンバーの決勝が行われました。11時頃?にやっていたマイク・マンゴールド元選手のテストフライトを見れなかったので、事実上初めてのフライト観戦。まず思ったのが、「すごく近い!! すごい低い!!」。別に最前列なわけでもなかったのですが、それでも迫力ありました。そしてゲート付近では地上から15m~25mの間を飛んでいるのですが、すごく低いところを飛んでいると感じました。エアショーなどを見ている人は当たり前なのかもしれませんが、普通の人はこれは生で見ないと分かりませんね。逆にやかましいかなと思っていたプロペラ音やレシプロエンジンの音は、それほど大きいとは感じませんでした。
チャレンジャーカップを見て思ったのは、「スピードが遅いな」と。テレビでエアレースはたくさん見ていたので、その感覚からするとキビキビ動いていない。チャレンジャーカップでは第3ゲートは使われていなかったのですが、それでも50秒台後半のタイムだったので、マスターズクラスの方はもっと速いはず! と思っていて、13時からマスターズクラスのRound of 14が始まったら、全然違いました(笑)。

観戦場所が第4ゲートの横あたりだったので、奥にある第3ゲートを水平に通過した機体を、一気に右に傾け(エルロン)、こちらに迫ったと思ったらすぐ左に傾け、第4ゲートのところで水平に機体を戻す、というのをかなり短い距離で行わないといけない場所だったため、一番クイックな挙動が楽しめました。これがレシプロエンジンの音と相まって、実に迫力あるシーンを見ることができました。各選手も難しいポイントと言っていた通り、フランソワ・ルボー選手の時は明らかに第4ゲートにオーバー気味で入ってきて、機体も異常に左に傾けてるっ!! と思ったら、思い切り右翼でパイロンを切り刻んでました。動揺したのかルボー選手はその後もスタートフィニッシュゲートのパイロンまでぶった切って、3秒×2回の6秒ペナ。Round of 14で消えてしまいました。ちなみにこのパイロン、特殊な素材と構造で出来ていて、破れてもその部分をファスナーで切り離し、新しいパーツをファスナーで取り付けて、再度空気圧で立ち上げるといった形で、「エアゲーター」と呼ばれる人たちが船で駆けつけて約2分で修復してしまいます。ルボー選手は同時に2箇所をぶった切ったのでどうかなと見てましたが、エアゲーターは3班いるらしく、この時は同時に2箇所で作業が進行していました。パイロンは3つヒットさせてしまうと失格になるので、なるほど納得。

ちなみに我らが日本人選手の室屋選手のフライトの時は、盛り上がりました。もともと私のいたあたりは最初から皆立ち上がって観戦するルール(?)になっていたのですが、室屋選手の時はパイロンをターンするごとに歓声が沸いていました。右手のスクリーンには途中のラップが表示されるので、前に飛んでいた選手との比較で、「結構いけてるかも」と思っていましたが、ゴールの時に50.779秒の表示。前日のトップ勢の予選タイムがだいたい51秒台だったので、周りも「おお!!速ぇー!!」と歓声とざわめきが沸き起こっていました。対戦相手はチェコ空軍の現役グリペンパイロットでもあるマルティン・ソンカ選手。途中ラップが室屋を上回った時は、「ああーっ!!」と少し落胆しかけましたが、インコレクトレベルで2秒ペナルティの表示が出て、「おっ、行ける!」。結局ペナルティが無くても室屋の方が速いタイムとなり、Round of 8に進出。このあたりから周りも、「これはFinalいけるんじゃないか?」と雰囲気が変わってきて、自分もかなりドキドキしてきていました。

ちなみにRound of 16には他にも、私の好きな58歳のおじいさんパイロットであるピーター・ベゼネイや、カービー・チャンブリスなど、往年の選手も奮闘していましたが、ベゼネイじいさんは唯一自国メーカーの機体を使っており全くタイムが伸びず、機内映像では不満そうな顔だったのにゴール後にはファンの上空でエルロンロール(クルクルっと回るやつ)をやってくれたり、チャンブリスもRound of 8でタイムがイマイチだったのにゴール後に失速系の技(ハンマーヘッド?)を見せてくれたり、ファンサービスをすごく意識しているなと感じました。

そんなファン楽しませ系のおじさん達がいる中で、割とクールな飛行をするのが第1戦アブダビ大会で優勝したポール・ボノム選手。現役のB747の機長だそうで、Round of 8では室屋の対戦相手となってしまいました。
先攻が室屋選手。このスタートの時が一番盛り上がったんではないでしょうか? スタートゲートに入る前に、管制塔にいるレースディレクターからの「Smoke On」の無線指示が出て、選手はこれに合わせてスモークを出し始めますが、この声が会場にも流れていて、カッコ良くワクワクします。が、変に盛り上がっているMCがやたら「みんなでスモークオーン!って言ってね!スモークオーン!」と無理に煽っていたのはなんだかなって感じでした。ま、それでも室屋のターンを固唾を飲んで見ながら応援。第9ゲートで最後のラップタイムが出るのですが、これが微妙なタイムだったので、第10ゲートからの旋回の時は「早く早くゴールに戻ってこい!!」って感じでした。ゴールの時のタイムは51.478秒と表示され、先のフライトほどではないにせよ、ボノムと戦えそうなタイムに周りから歓声が上がりましたが、MCの「あーっと、オーバーGですか? オーバーGだとDNFとなってしまいますが」の声に、「ええーっ!」との反応。その後すぐにオーバーG(Gが10Gを超えると失格)によるDNFが確定し、ボノムによほどのことが無ければFinalには残れないことが確定。現地であらためて思いましたがヒート形式は後攻が有利。先攻がペナルティやDNFならそれほど攻めずに安全にフライトすれば良いので、「ボノムは超ユルユルで飛ぶだろう」と思い、実際余裕のある飛行に見えましたが、ゴールしたら51.392秒。仮に室屋がDNFで無くても負けていたタイムなので、これを見て皆納得。やっぱりボノムは強い。

最後のFinalには、このボノムと予選で好調だったニコラス・イワノフ選手、機体のウイングレットが特徴的なマット・ホール選手とマティアス・ドルダラー選手の4名が残り、ホール、ボノム、ドルダラー、イワノフの順にフライト。結局、3フライト全て51秒台中盤でまとめてきたボノムが2戦連続の優勝。盛大に表彰式、といきたいところですが、滑走路とハンガーが浦安の海っぺりにあるので、観客のいない中でシャンパンファイトしてました。ここらへん、観客の前でやる形が取れると良いんですけどね。

持ち込み制限が厳しすぎとか、飲み物がボッタクリ価格(レッドブル500円、クリスタルガイザー500円)だとか、観戦環境の問題など、運営サイドへの不満はいろいろ言われているようですが、確かに場所によっては満足度に大きく影響するなとは思いました。その点、自分が陣取った場所は比較的良い環境だったのではないかと思います。
テレビで見ていて、生の観戦にどのような魅力があるかは未知数でしたが、思っていたよりも近くを飛ぶ様、選手たちの競技中のテクニックと、ゴール後のパフォーマンス、それらを観客も皆楽しもうという雰囲気は生観戦ならではだったと思いました。やはり日本人選手がいるというのも大きいですね。あと、小さな子供連れや高齢の方も多く、高齢の方は飛行機が好きで、普段ラジコン飛行機を趣味としている方などもおり、この大会に来た経緯を嬉しそうに話しているのが印象的でした。
あと、結構写真と一部動画を撮りましたが、全部APS-C一眼に200mm単焦点レンズと1.4×テレコンで撮りました。これしか持っていってませんでしたが、ちょうど良い焦点距離だったと思っています。ただ、飛行機の挙動が速くて、ファインダーでも両目開きでないとすぐ見失うし、動画は炎天下でほとんど見えない液晶で捉えるしかないので至難の技でした(笑)。

来年も日本で開催してくれるのか分かりませんが、若い千葉市長もだいぶ力が入っていたので、是非またやって欲しいイベントですね。まー今回みたいな天気ですと、日差し対策は必須ですし、制約下での水分補給も大変になりますが。。。

日焼けで顔と腕がかなり痛い。

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