トレッキンググッズレビュー(カメラ編)
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トレッキンググッズレビュー(カメラ編)

前回の山道具編に続き、トレッキングの時のカメラ関係についてのレビューです。そもそも山歩きを始めたキッカケは一眼レフを買ったことでしたので、私が山に行く目的は写真撮影(と動画撮影)がメインなのです。一眼レフをお持ちの方はよくご存知と思いますが、この世界は1つメーカーを決めるとなかなか他のメーカーに手を出せません。なぜかというと、レンズマウントというレンズとカメラの接点の決まりが各メーカーバラバラだからです。私は最初に買ったミラーレスからペンタックスのKマウントという規格のものを使っているので、すべてペンタックス基準でお話します。

■一眼レフ「PENTAX K-30 (クリスタルブルー)」

自分の山歩きブームを作ってくれた一眼レフです。
もともとミラーレス一眼のPENTAX K-01を持っていて、一眼カメラの面白さを知り始めたところに向井理くんのアクティブなCMが心にささり、半ば衝動的に購入してしまったものです。PENTAXはもともとK-5というフラッグシップ一眼レフがあり、コイツがフィールド一眼と呼べるスペック(防塵防滴、コンパクト)を標榜していたのですが、エントリー機であるはずのK-30も防塵防滴コンパクト、上級機顔負けの100%視野率ファインダーなど、申し分ないスペックで登場。ま、当時はそんなことよりもこの「リーゼントスタイル」のペンタ部を持つスタイルとカラーが「カッコイイー!!」という理由が先行していました。
実際、山での取り回しもよく、プラボディのエントリー機というのが良くも悪くもラフな使い方を許してくれているので、まさにフィールド一眼といった感じですね。画質は(当たり前ですが)K-01と全くといっていいほど同じで、クリアでシャープな描写をしてくれます。とにかくサクサク動作するので、サクサク撮影できますし、FullHD動画も撮れるのでだいたいはコイツ1つでこなせます。最初はAv(絞り優先)で撮影していましたが、ペンタックス特有のハイパープログラムモードという、手前のダイヤルを動かすと自動で絞り優先、奥のダイヤルを動かすとシャッタースピード優先になるモードがあり、今はずっとこのモードで撮っています。
不満な点は電池の持ち。K-01やK-5と異なり容量の小さいタイプの充電池のため、1泊2日の山行だと写真と動画だと電池1本では足りない時もあります。そのため予備電池を1本持っています。このモデルはアダプタを使えば乾電池も使えるのがメリットなんですが、高山ではたとえリチウム乾電池でも箱から出してすぐ電池切れしたりするので、正直信用できていません。(私の個体の問題?)
ちなみに本機は防塵防滴で動画サイト等にはじょうろで水をかけたり砂をかけたりしても動作するよ!という動画がありますが、私は昨年6月の燕岳の時に雨の中でもぶら下げて歩いていたら、燕山荘に着いたあたりで動作がおかしくなってしまい、後日ペンタックスフォーラムに持ち込んだら基盤が水でやられていたと言われてしまいました。ただ、水の浸入経路が確認できなかったとのことで無償交換して頂いたので、現在は2代目だったりします。たぶん結露でやられたのかなと思いますが、それ以来雨の時はなるべくザックにしまうようにしています。

■ストラップ「diagnl NINJA CAMERA STRAP 38mm」

登山に一眼レフを持っていく人は結構多いですが、必ず最初に悩むのがその携行方法。かくいう私も最初は首から下げたり、カメラポーチみたいなものを購入したり試行錯誤しましたが、普通のストラップはカメラがブラブラしてしまいハッキリ言って登山の邪魔になり余計に疲れますし、ポーチに入れてしまうと出し入れが面倒になり、撮影モチベーションが下がってしまいます。私は前述の通り写真撮影がトレッキング目的なので、常に撮影しやすい携行方法が望ましいのです。
そこでいろいろ調査して知ったのがこのニンジャストラップと呼ばれるストラップ。ストラップの端を丸めた部分を引っ張るとストラップの長さが短くなり、ニンジャよろしく身体にピッタリとカメラを固定できます。撮影したい時は樹脂の取手部分を引っ張るとストラップが伸び、自由にカメラを構えることができます。これはかなり重宝する機能で、私はずっとこのストラップでトレッキングを続けています。もちろん撮影が不要な下山時や雨の時、危険な岩場ではザックにしまいますけどね。

■三脚「SLIK SPRINT PRO 2 CGN」

風景や高山植物をよりクッキリ写したい時、また動画の長回しをする時など、三脚があるとより良い効果が出せます。また、まだ明るさの足りない日の出時や、夜中に星空を撮る時などは三脚は必須です。一方で使用機会の少ない三脚は、少しでも重量を減らしたい登山においては持っていくかどうか悩みの種でもあります。このSLIKのモデルは一眼レフを搭載できる能力を持ちながら、自重が940gと相当ライトウエイトにできています。実際手に取ってみると「軽っ!」と思いますし、ザックの横に着けるのにサイズ的にもちょうど良い。昨年5月の雲取山でデビューさせて以来、ずっと持っていくようにしています。今どきの一眼レフなんて手ブレ補正も強力だし、高感度性能も高いので三脚の有無は大差ないかと思いましたが、実際に撮った写真を見ると明らかに違います。私の持っている本にもキレイな風景写真を撮りたいなら、三脚は必須で、レリーズもしくはセルフタイマーでしか撮るなくらいの書きっぷりですが、納得。
ただ、後述しますが新しく大口径の望遠レンズを持ち出すようになり、それで撮ろうとすると写真は良いのですが、動画の長回しでブレが目立ってしまいます。あらためて世の中の三脚が重い理由が分かり、少しでもグレードアップを図ろうとManfrottoのBeFreeというモデルを先日購入しました。これは1.4kgとなりグッと重さを感じるんですが、耐荷重はアップしたと思います。こちらはまだ山では未使用なので、今回はレビューしません。

■高倍率ズーム「smc PENTAX-DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR」

K-30と共に購入した高倍率ズーム。簡易防滴レンズなので多少の雨でも安心。登山道中はほとんどこのレンズで撮影していました。動物などをアップで撮ろうとしなければ、望遠側は135mmあれば充分です。むしろ山では空も含めて景色を大きく写したい時も多いので、広角側がもう少し広ければと思うことが多いです。ただこのレンズは軽いし、そんなに写真撮影に気合いを入れないのであれば1本でこなせるので、F2.8通しの標準ズームを入手した今でも便利ズームとして手放せないレンズです。
こいつの欠点としては、歩いているうちにズームレンズが伸びてきてしまうこと。少し緩いんでしょうかね。

■広角単焦点レンズ「smc PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited」

ペンタックスは俗に魅力的な単焦点レンズのラインナップが揃っていると言われており、そのうちの1つがDA Limitedシリーズと呼ばれるもので、数値よりも写真の味を意識して作られているんだとか。私はどうしても風景では広角側を写したくなるので、補完的な意味合いでザックに放り込んでおきます。まず素晴らしいのは、軽くてコンパクトであること。登山では少しでも重量と体積を減らしたいので、このレンズはありがたい存在です。そして写りの方も非常に印象的な絵を出してくれます。特に空や雲がすごく立体的に写り、俗にペンタブルーと呼ばれる印象的な空の青さに心惹かれます。F4スタートなので暗いレンズと思われるかもしれませんが、風景では絞って使うので問題ありません。
今は16mmスタートの標準ズームを持つようになったので、この15mmはあえて持っていく必然性はないのですが、どうしてもこの印象的な写りが気になって持っていくようにしています。

■望遠単焦点レンズ「smc PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited」

私の持つDA Limitedシリーズレンズのもう1つが、このDA70mm。APS-Cですと中望遠の位置づけになります。
中望遠といっても遠くを撮るというより、被写体を切り取り印象的な写真を撮る、といった使い方になります。登山ですと、周りの植物や沢を撮ったり、山をクローズアップしたり。てなことを言っていますが、実際は振り返ってみてもあんまりテーマ性のある写真が撮れていない…このレンズをもっと使いこなすようになると印象的な写真が残せると思うんですけど、インスピレーションが必要でなかなか難しい。
それでもこのレンズで撮った画は、石ころだろうが木の根だろうがなんてことないモノも、その場の空気感をも感じられるなんか良い絵になります。DA18-135mmでも同じ焦点距離の写真は撮れますが、このレンズのような印象的な絵は出ません。このあたりがDA Limitedレンズの面白さ、単焦点レンズの面白さなんでしょうか。
ちなみに写真のフードには40mmと書いてありますが、これは40mmのフジツボフードを別手配し取り付けたためです。70mmの引き出し型フードは少し長さがあるので、これでよりコンパクトになりますし、フード自体はちゃんと機能します。

■標準ズーム「smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM」

1年半ほど基本のレンズは18-135mmで過ごしてきたわけですが、振り返って写真を見るとどうしてもLimitedレンズとの差を感じてしまい、もっと標準ズームも良いレンズが欲しい!と思うようになってしまいました。そこで手を出してしまったのがスターレンズと呼ばれるシリーズで唯一の標準レンズである16-50mm。広角側が18mmから16mmになったので、今まで頻繁には撮影できなかった広角側の写真をたくさん撮れるようになりました。また、18-135mmとは異なり防塵防滴なので、より不意の雨に強いかなと思っています。このレンズはネット上などではクセの強いレンズと言われており、故障も多いと報告されているのでそのあたり不安はありますが、K-30に付けた姿はカッコよく、F2.8通しで明るいレンズなので、樹林帯などの薄暗いシチュエーションでもバシバシシャッターを切れるようになりました。
このレンズに切り替えてから1回しか山に行けていないので、まだまだ良し悪しが見えてきていませんが、思ったほど重量増が負担にならず、ちょいちょい印象的な写りを残すので今後に期待しています。

■望遠単焦点レンズ「smc PENTAX-DA★200mmF2.8 ED[IF]SDM」

18-135mmからのグレードアップとして16-50mmにしたので、望遠側にもハイグレードなレンズが欲しい!と半ばヤケ気味に購入してしまったのがこのスターレンズの望遠単焦点。はっきり言って200mmなんて山では相当使う機会が少ないんですけど、なんとか動物なり雷鳥なりに出会った時に、毛の1本1本まで分かるほどの描写で撮影できないかなというモチベーションだけで持っていくようにしています。こないだ八ヶ岳に行く時に初めて持っていったのですが、登山基準でいうと重いレンズで、疲れていると「これ持ってくる必要あったか?」と自問自答しかねないレンズです。実際八ヶ岳でも特段動物に会うこともなく、使用したのは山頂から富士山と阿弥陀岳を撮った時だけ。かなり”疲労対効果”の悪いレンズですが、実は花撮りレンズとしても評価されているので、次の時は花を撮るのに使ってみようかと思っております。

■ミラーレス一眼「PENTAX K-01」

以前ブログでも紹介したので詳細は省きますが、自分が一眼カメラにハマるきっかけとなったミラーレス一眼です。
山では基本的にK-30を主力としているのですが、サブカメラとしてK-01を持っていっていました。燕岳でK-30が故障した時はコイツに助けてもらって、印象的な雲海の風景を撮れたということもありました。
K-30とK-01はセンサーも画像処理エンジンも一緒のため、出る絵に基本的には差はないのですが、実際はK-01の方がバチっとピントが合った風景写真が多い印象です。おそらくこれはコントラストAFしかできないK-01の方が結果的に位相差AFで撮ることの多いK-30よりジャスピンが量産されているためと思われます。三脚で使うことが多いというのもありますけどね。
最近は重量節約の為に持っていかないことがほとんどですが、長期の場合は動画撮影との併用のためにもやっぱり持っていきたいかな。

■アクションカム「GoPro HERO3+ Silver Edition」

岩場の動画撮影や自撮りのために欲しいと、以前から気になりつつも物欲を抑えていたのに、2月のヒマラヤトレッキングに向けて購入してしまったアクションカムです。だいぶメジャーになってきましたよね。
動画撮りにだいぶ凝ってきたので、トレッキングで面白い映像は撮れないものかなとGoProでいろいろ試しています。自分はポールマウントでトレッキングポールの先につけ、前のみならず横や後ろやローアングルで撮ったり、クリップでベルトに付けて岩場の登りを撮影して臨場感が出せないかなと。ポールでの撮影はだいぶ慣れてきましたが、クリップでの岩場撮影は角度がイマイチでまだまだ改良の余地アリ。液晶画面等が無いのでどんな画が撮れているか不安になりますが、超広角なのでだいたいうまく撮れるし、ブレも少ないです。
問題は、GoProで撮影すると少しセピアっぽい色合いになってしまうので、編集時に一眼の動画と合うようにカラーバランスを変える必要があることですかね。でもスゴく鮮明に景色が撮れるので、超広角サブカメラとしても重宝します。

■現像ソフト「Adobe Photoshop Lightroom5」

今まではカメラのJPEG撮って出しで撮影して、それでも充分満足していたのですが、写真枚数が増えてきて管理と各所へのアップロードのためのリサイズ作業などが苦痛になってきたので、写真管理ソフトが欲しいなとApertureと迷ってこちらにしました。あまりAdobeのソフトは好きではないのですが、使用している人が多く情報も多いし、ハイライトとシャドウの処理が素晴らしいと思ったので、乗り換え版を購入。(もともとMacAppStoreで買ってた画像処理アプリがあったので)
購入前に管理概念はすごい学んでいたので、すぐに慣れました。これ、実際便利で写真の選別作業→現像作業(ハイライト・シャドウや彩度、シャープネスなど)→各所向けのリサイズといった流れがサクサクできるようになりました。ハイライト・シャドウはRAW撮影で効果が出るので、最近は写真はJPEG+RAWで撮影するようになりました。ホワイトバランスなど、その場で決めるのは迷いが多いのですが、RAW撮影ならば後でどうともなるので気にしなくなりました。いやー現像でここまで写真が変わるのはなかなか衝撃的ですね。管理だけのつもりで買ったのが、今では現像作業も楽しみの1つになりました。

まーいろいろと述べましたが所詮シロウトですので、話半分で山使用の感想の1つとしてみて頂ければ幸いです。
これらの機材で撮影した写真は↓コチラに掲載しております
https://globalbonsai.smugmug.com/

Exifデータを見て頂ければどの機材で撮ったのかは分かると思います。そんなに良い写真はないので恥ずかしいですけどね。
あと、これら機材で撮影した動画も↓コチラのYOUTUBEに掲載しております
https://www.youtube.com/user/stepman1/

一時のマイブームで終わるかと思った一眼レフと山登り。まだまだ続きそうで、良いのか悪いのか。。。

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