行ってきましたヒマラヤ! アンナプルナB.C.トレッキング
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行ってきましたヒマラヤ! アンナプルナB.C.トレッキング

2月の中旬に特別休暇をもらって、ネパールはヒマラヤにあるアンナプルナベースキャンプまでトレッキングしに行ってきました。筑波山から登山を始めて1年半、まさかヒマラヤを訪れることになるとは。。。
休暇は土日含めて12日間、トレッキング日程は行き4日間、帰り3日間の計7日間の日程。思っていた以上に色々と面白い体験ができたので、それを書き綴りたいと思います。

初めての海外トレッキング。欧米人にも人気のコースとはいえ道中の様子も分からないので、現地旅行会社と事前にメールでやりとりし、国内便のチケット手配と英語ができるガイドさん1名を手配。ポーターは使わず荷物は全部50Lザックに入れ自分で背負って歩きました。
なお、「ガイド、ポーターって必要なの?」というのを気にされる方もいますが、欧米トレッカーもアジアのトレッカーもだいたい付けるのが基本でした。今回の道中でも80%以上の人が付けていた印象。既に日本でテント泊登山をしている人は私のようにポーターは付けなくても大丈夫です。ロッジでは英語で会話ができるし、このルートは往来の人もそこそこ多く、道に迷う可能性は低いので、ガイドも無しでもなんとかなりますが、天候や雪崩情報などの情報把握、ソロの場合はもし怪我をした時のリスク、そして何よりガイド業はこの国の大事な観光業収入の一部でもありますので、できればガイドは付けましょう。

ネパールへは直行便が無いので、経由便を使うことになります。自分はスターアライアインスのマイルを使って、成田~[ANA]~成都(中国)~[中国国際航空]~カトマンズ(ネパール)というルートで入りました。ちなみに成都の搭乗口まで全く気付かなかったのですが、中国国際航空の成都~カトマンズ便は、途中チベットのラサを経由します。チベットは中国ですので、ラサの空港で出国手続きを行います。ラサの空港は3500mくらいの標高にあるので、いきなり息苦しいところに降ろされます。聞いてなかったよ。。。
ネパール入国にはビザが必要で、事前に大使館で発行してもらうこともできますが、カトマンズのトリブバン国際空港で入国カードと共に申請書を書いて、パスポートサイズの写真と25ドルを出せばすぐ発行してくれます。写真はあらかじめ持っていく方がスムーズ。そして入国審査を終えると、、、
ネパール入国です。ナマステ~!

カトマンズの国内線ターミナル。なかなか分かりづらい。

2/16(日)。トリブバン国際空港の出口の外には、、、ウワサには聞いてはいましたがまるでバイオハザードのごとく大量の呼び込み人が押し寄せ声をかけてくるw この日はこのまま国内線でポカラに移動するので、適当にあしらって颯爽と国内線ターミナルの方へ、と言いたいところだったが、言われていた方向にターミナルらしき建造物が見当たらない。とにかく歩き続けてみると、3F建てくらいのどっかの事務所みたいな建物が見えてきて、それがターミナルだったw いやすみません先進国ボケしてました。ここはネパールですもんね。
ネパール入り便が遅れることも想定し、国内線は遅めの便を押さえていたのですが、定刻より早く着いたので前の便に変更手続き。まあその手続きのための航空会社のカウンターもまたよく分かり辛いのですが、なんとか搭乗口まで来ました。もちろん搭乗口はバスターミナルの待合室レベル。。。カトマンズはあいにくの雨だったのですが、そのせいかどうも国内便が遅れている模様。私の乗るブッダエアーは最初情報が無く、少し経ってから液晶ディスプレイに運行状況が表示されたのですが、2時間遅れの表示。椅子で気長に待っていました。ちなみにこのディスプレイ表示は英語なのですが、どうもスペルミスっぽいワードがあるなと思っていたら、突然PowerPointの画面になって手で追記入力していました。システムじゃ無かったのねw 期待を裏切らないな。

ポカラの空港。カトマンズより暖かい。

ま、そんなこんなで2時間遅れでカトマンズを経ち、ポカラの空港に到着。こちらは到着時は晴れており、カトマンズより暖かい。ちなみにこの日ポカラを発った別の国内便が山中に墜落したというニュースがありました、18名が犠牲になってしまいご冥福をお祈りします。調べるとネパールの国内便は1~2年に1回は墜落事故を起こしており、割とよくあることらしい。恐ろしやネパール・・・。
ホテルはレイクサイドの中級ホテルを予約していたので、車で迎えに来てもらいチェックイン。向かいの食事処でさっそくモモ(餃子みたいなやつ)とチョウメン(焼きそばみたいなやつ)とビールで腹を満たした。この日はガイドとの顔合わせ、ラズさんという若い人で日本語はできないが英語で翌日の集合時間を確認。スコールみたいなのが降ったけど明日大丈夫だろうか?
そうそう、ネパールは電力を水力発電に頼っており、特に乾期は慢性的な電力不足に陥るためエブリデー計画停電です。自分のホテルもエレベーターが止まったり、夜明け前くらいはバスルームしか電気が点かなかったり。でもたいていのホテルは自家発電設備を持っており全ての電気が点かないという事はありませんでした。あと、ネパールの人たちは基本的にシャワーは水だそうですが、ホテルは外国人向けなのでお湯が出るのを売りにしています。でもしばらく出していないとお湯になりません。昔の日本の湯沸かし器みたい。

途中から7000m級の山々が見え始めます。おおっ!

トレッキング初日。旅行会社の車でガイドさんに迎えに来てもらい、山道を走りナヤプル(Nayapul)という村に移動。テリトリーの関係でナヤプルから先は地元の乗合ジープを使わないといけないので、ジープに乗ってガタガタの未舗装道を走り、シワイ(Siwai)という村まで移動します。途中、ビレタンティ(Birethanti)のチェックポストでTIMS許可証とアンナプルナ保護区入域証の確認をする必要があるので一時下車。なお、私は旅行会社に事前の手続きは任せましたが、自分で許可証を取得する場合はポカラのダムサイドにある観光局の事務所に行けば発行してもらえます。
初日はチョムロン(Chhomrong)までの行程で、最初は「日本の易しい登山道と大差ないな」と元気にスタートしたのですが、チョムロン手前に400mほどひたすら登る階段地獄があり、これに足をやられて最後は両足をつってしまうハメにw

左にドーンと構えるのがアンナプルナサウス。朝焼けが美しかった。

さらにはガイドのラズの右目に虫が飛び込んでしまい、まるでパンチをくらったボクサーのように右のまぶたが腫れ、これは医者に行かないとマズイということでラズは随行不可能になってしまいました。ただ、チョムロンの宿に彼の友人がおり、この友人のニマさんにガイドをチェンジして続行することに。ちなみにニマの名字はシェルパ。よくエベレスト等の登山に必ずといっていいほどシェルパがルート工作や酸素ボンベの運搬などを行っており、職業名のように呼ばれていますが、シェルパ族というネパールの多種な民族の1つです。
宿ではダイニングでネパール定番の定食「ダルバート・タルカリ」を注文。ダルは豆のスープ、バートは米、タルカリは野菜のおかずを意味し、カレー風味なのですが特段辛くはないので食べやすい。しかも勝手におかわり(無料)を盛ろうとします。この頃はお腹への影響も考慮しおかわりは遠慮していました。
ま、初日からアクシデント発生でしたけど、チョムロンからの眺めはすばらしく、マチャプチャレ(6997m)、ヒウンチュリ(6434m)、アンナプルナサウス(7219m)の3つの山がバッチリ拝めました。
いやーまさに神々の山嶺といった感じ。

ドバンに到着。どの村にもタルチョがはためいています。

2日目からは新しいガイドのニマと進むこととなったわけですが、なぜか大きな荷物を背負っている。聞くとUSのクライマー2人分の荷物とのこと。おーっと俺のガイドはUSクライマーのポーターも兼ねていたのか!!(多重請負?) というわけで、マイケル、リアーナという2人のアメリカ人クライマーとも仲良くなり、いつの間にか4人パーティで行動することになりました。ちなみにこの2人は前夜に夕食を食べた時に会話していたので、すぐとけ込めました。
あと、途中で似たような行程で進んでいた韓国の若い男性2人組が明るい人たちで、会うたびに会話していたら気が合ってアドレス交換。1人は靴に何か問題があったようで、ビニル履いてテープでグルグル巻きにして歩いていたが、あれでトレッキング続行するとはなんてパワフル! 前日も別の下山中の若い韓国男性2人組と話し、道や天候状況を教えてくれたりチョコくれたりしてくれましたが、韓国の若い人たちが多いですね。しかもみんなエネルギッシュで親切。ガイドに聞きましたが10年前くらいから韓国の人は増えていて、最近は中国の人も多いとのこと。確かにどこ行っても最初は「コリアン?orチャイニーズ?」って聞かれたし、相対的に日本人は少なくなってきているんでしょう。日本の若者ももっと海外に出た方がよいねえ。
さて、当初はバンブー(Bamboo)かドバン(Dobhan)で泊まろうとの話でしたが、翌日1000m以上登るのは高山病になるリスクが高くなるからというクライマー達の意見で、ヒマラヤ(Himalaya)まで進む。英語はノリでしか話せないので、合意するしかなかったw
なお、ヒマラヤでこのトレッキング唯一の日本人の男性に遭遇。同じドミトリーの部屋で寝ましたが、聞くと8ヶ月間も色んな国を旅して回っているそう。うらやましー。

ヒマラヤから先は開けますが、斜面は雪崩注意ゾーン。

3日目はマチャプチャレベースキャンプを目指します。
この区間は視界は広がるのですが、雪道になりトレッキングポール必須。自分は持ってきていなかったのですが、最初のガイドの方が「持っていった方がよい」と貸してくれていたので助かりました。ちなみに軽アイゼンは持っていたのですが、軽アイゼンは誰も使っていなかったです。日本だと皆使うシチュエーションなんだけど、そういうものなのかな? ここは谷あいを進んでいくのですが、左手の断崖で時折小規模の雪崩や土砂崩れが起き、ゴゴゴ~ッという音が響くのでその度に皆足を止め、落石がないか音の方向を注意していました。

マチャプチャレB.C.に到着。これは翌朝の眺め。

このあたりで3000m超えのトレッキングになるので、高山病に注意してゆっくり目に歩く方が良いところですが、USクライマーのリアーナが朝から胃の調子が悪くペースダウンしていたので、結果的にゆっくりペースで進めることができた。朝は胃の調子が悪くなるのに、朝食からポテトをパクパク食べちゃうあたりがアメリカ人っぽいんですけどねw やや曇りがちだったこともあり気温が低かったせいか、持っていたカメラ(Pentax K-30とGoPro3+SE)の電池が軒並みダメになってしまい、この区間はあまり撮影できなかった。
マチャプチャレベースキャンプに着いて、ダイニングでカメラを暖めつつお茶していたら、すまして座っていた韓国人女性が私の一眼レフカメラ(K-30)を指さし、「私のより高級なカメラだ」みたいな事を言ってきた。その人も一眼レフを持っており、見るとCanonの5DmarkIII。おいおい全然オレのよりケタが違うプロカメラじゃねーかw ということで一緒にいたUSクライマーのマイケルも一眼レフとミラーレス(NEX7)を持っており詳しかったので、その場で3人でカメラ談義になった。うーむ、カメラマニアは世界共通なんだな。カメラ用語も全部通じて面白かったw

アンナプルナI峰をバックに、平凡なポーズ…

4日目はいよいよアンナプルナベースキャンプへ。マチャプチャレベースキャンプからは2時間程度の行程。そしてここで自身最高となる高度4000m超え。雪道ですが踏み跡で固められていたので、歩行に問題なし。いつの間にか360°を7000m級の山々に囲まれます。非常にラッキーなことに、天気も良くなってきて空がクリアに。そういやここでもすれ違った欧米人に、「おー君もペンタックスか、オレもK-50持ってきてるぜ! 防滴だからバッチリ撮れるぜ!」的なことを言われた。やっぱり一眼レフは世界共通話題だなぁ。
クライマーの2人は翌日からテントピーク(5663m)を目指すとのことで、丘に登って氷河を眺めながらポーター(兼オレのガイド)のニマとルート確認。夏なら普通の登山だけど、冬は簡単に許可されないそうです。自分も眺めながら一緒にフムフムと聞いていましたが、こりゃ自分には無理だわな。A.B.C.の有名な看板の前で記念撮影していたら、M.B.C.で知り合った韓国人女性の2人にも会った。どうも韓国でロッジを経営しておりドキュメント撮影しているとかで、撮影会&名刺交換会に。なかなか先に進めないw

夕日で真っ赤に輝くマチャプチャレ。残念ながら翌朝は雲がかかり朝焼けは見れませんでした。

ロッジに荷物を置き、これまた途中で仲良くなったスペイン人単独トレッカーのペダさんとビューポイント周りに出かけた。2日前に降った雪のせいか、ほとんど踏み跡のない場所もあり、ラッセル状態で進む。スパッツ持ってくれば良かったと後悔。でもおかげで雪と山と空と雲の素晴らしいコントラストが楽めた。A.B.C.は世界で10番目に高いアンナプルナI峰(8091m)の他、アンナプルナIII峰(7555m)、ガンダルバチュリ(6248m)、シングチュリ(6501m)や、チョムロンからも見えたアンナプルナサウス(7219m)、マチャプチャレ(6997m)、ヒウンチュリ(6434m)など7000m前後の山々に囲まれ、その眺めは圧巻。その眺めを堪能した後もたっぷり時間があったので、今回初導入のGoProを使ってペダとクレイジーな雪滑り大会を実施。ビデオはあとで皆でシェアすることを約束した。
夕方にはサンセットに赤く染まるマチャプチャレが拝めて、満足満足。山の神様ありがとうごぜえますだー。

帰路の途中のチョムロンで、子供たちを風船芸で楽しませるペダ。いいやつやん。

帰りはペダと一緒に下山。ペダはいかにもラテン系で、登ってくる欧米美女を数えながら、「オレが登った日はほとんどいなかったのに、なんで今日は27人も美女が登っているんだぁ! オレまた登るー!」と、しょうもないことを言っていました。「今日はシヌワ(Sinuwa)まで行くぞ!」と言っていたのに、手前のバンブー(Bamboo)でバテちゃって、「今日はここに泊まる?」とか聞いてくるし。バンブーでは部屋をシェアしましたが、イビキが大きいし。。。こんなやつですが、チョムロン手前では「キャンディ持ってなーい?」とひょこっと出てきた子供を見て足を止め、風船芸を披露。お花や剣を作り子供たちにプレゼントして、子供たち大喜び。聞けば夏はコックとジャグリングや手品などのショーをやっているとのこと。ペダいいやつやん。
チョムロンで最初のガイドのラズと再会。ガンドルンの病院で治療したとのこと。腫れがすっかりひいていてヨカッタヨカッタ。ペダは今日中にポカラまで戻ると言うので、ここでペダと別れ、自分たちはジヌー(Jhinudanda)で一泊。ここには15分ほど下った川沿いに温泉があり、50ルピーで入れます。海外なのでパンツは履いたまま、しかもぬる~~~いんですけど、トレッキング中はシャワーは浴びなかったので、しっかり汗を流せました。ぬるいのでずっと入っていられるのですが、地元の元ガイドのオッサンが終始トレッキングビジネスの今と昔を地元の若者に語リ続けていた。なんか山梨の温泉で地元の人同士が話しているみたいで、どこの国も温泉談義は似たようなものだなと思った。

翌日、ポカラまで戻って夕食はがっつりダルバート。トレッキングの最初の頃はすぐ飽きたのに、この頃になると毎晩ダルバートをたらふく食べたいという身体になってしまいました。恐ろしや環境適応。
夜にはレイクサイドにあるBusy Bee Cafeというバーで、ペダと再会。短い時間だったが2人で酒を酌み交わした。ペダはだいぶ酔っぱらっていて別れた後、別の欧米人グループにちょっかい出しに行きそうだったけど大丈夫だったんだろうか?

ストゥーパ(仏塔)。なんか変に可愛くて気に入ってしまった。しかしここの下りの階段でこけた。縁起悪ぅ~。

最終日はポカラからカトマンズに移動、カトマンズで午後いっぱいフリータイム、のはずでしたが、ポカラからの国内便がまた2時間遅れてほとんど時間が取れなかったので、タメル地区とスワヤンブナートだけ歩いて見て回りました。しかしここの交通はカオスですな! 車線も信号も無い中、車とバイクと人と牛?が入り乱れまくり、うっかりすると轢かれますw
正直、旅行前はトレッキングのことばかり考えていたのでほとんどカトマンズの知識を入れていなかったのですが、少し歩いただけでも景観、雑多な人々やお店、あちこちに見られる宗教観など、なかなか刺激的で楽しかった。もし今度来る機会があったら、ボダナートやパシュパティナート、パタンなども観て回りたいですね。

アクシデントから始まったトレッキングでしたが、おかげで(?)色んな国の方と仲良くなれて、ここぞというポイントで天気にも恵まれ、最高に素晴らしい体験ができました。遙か上方に白く輝く山々は神々しく、色んな出会いは神様が導いてくれたのかなとも感じてしまいます。ネパールは決して豊かではなく、それこそこのようなトレッキングや観光による外貨獲得が無いと経済が成り立たない国ですが、神々しい山ものどかな村も寺院も雑多な街も、どこか心の幸せを感じられ、色んな出会いを導くこの国が好きになりました。
今回途中続行不可になってしまったガイドからは、「今回はゴメン。次は是非ボクにガイドさせて!」と言われ、是非また来たいと思いましたが、こんな長い休みは次はいつ取れるのだろうか…とにかく貴重な体験でございました!

Global BONSAI Galleries – 2014 ABC Trekking (myportfolio.com)

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