日本最後の秘境 雲ノ平へ
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日本最後の秘境 雲ノ平へ

すっかりブログ更新を忘れていました。半年以上経っての話題は本当は健康ガジェットネタのつもりだったのですが、夏休みに日本最後の秘境と呼ばれる「雲ノ平」に行ってきたので新鮮なうちにそちらの話題を。

昨年9月に筑波山に登って以来、すっかり登山の魅力にハマったのは以前にも書いた通りですが、その後もステップアップを重ね、5月には雲取山でテント泊デビュー、6月に燕岳で北アルプスデビュー、7月には南アルプスの北岳で初の3000m超えと、経験を積んで8月を迎えたワケです。んで、年初に立てた計画では北アルプスの涸沢カールに泊まって穂高岳に登ることを考えていたのですが、いつも一緒に登る友人が日程が合わないため、涸沢以外でソロテント泊を画策することに。

良い場所ないかなと何気なく手にしたアルプストレッキングガイドに雲ノ平が書いてあり、そこにあった「1日ではたどり着くのが難しいため日本最後の秘境と呼ばれている」という文字に心奪われました。「日本最後の秘境だと~!登山&テント泊技術を身に付けた自分にはうってつけの場所ではないか~!」ということでそこに決めました。はい、短絡的。

少し説明すると、雲ノ平という場所は北アルプスの最深部にあり、県でいうと富山県。標高2500~2700mに位置する溶岩台地で、そこでは色んな高山植物を見る事ができます。周りの山から見ると、さながら南米ギアナ高地のテーブルマウンテンのような感じ。別に独自の生態系ってワケでは無いですが。。。日本にこんなところがあるのか!というような場所です。
アプローチ方法は複数あるのですが、一番近い登山口である折立からでも直行したとしてコースタイムで11時間。さすがに普通は途中で1泊しないと行けません。自分も折立にクルマで入り、そこからスタートしました。

スタート前日となる8/11。折立の駐車場確保が大変そうとの情報を得て、帰る人がいるのを狙って夕方入り。運良く空きを見つけて駐車成功。ここは無料のキャンプ場もあるのでテントで寝ても良かったんですが、一度クルマの荷台をフラットにして寝てみたかったので、車中泊を敢行。最初は暑かったので窓を少し開けて寝ていましたが、夜中に冷えてきたので横着してキーレスのロックボタンで窓を閉めたら、数秒後に盗難アラームが作動して焦りました。スマートキーのクルマの構造をよく分かって無かった。。。

さて1日目となる8/12、折立から5:50に出発。今回は初めての3泊4日分の装備なので、食料が重くなりザックは20kg超え。自分の感覚ではザックは18kgを超えるとかなりズシリと感じます。スタートしてしばらくはやや急な登り。ソロの時はいつも「何でこんな辛い事してるんだろオレ」の葛藤との闘いが始まります。そんなこんなしながら2時間ほど登ると展望が開け、ここから先の草原風景が新鮮で結構気持ちよく歩けます。尾瀬のような木道もあったりしてそれは歩きやすいし良いんですけど、整備されているかのように見える石ころの道の方が歩き難くて、道の端の平らなところを選んで歩く人もいました。
途中、有峰湖や遠くに劒岳も見え、「おー北アルプス立山方面に来たなあ」と感じはじめます。

太郎平小屋には予定より早く着き、そこから20分ほど下ったところにある薬師峠キャンプ場に10:30に到着。テントの場所は今回初めて平らなところを確保できました。テント設営後、小ザックに荷を詰め替えて薬師岳(2926m)へ向かいます。ここまでで結構疲れていて最初は行くのを躊躇しましたが、ムチ打って歩いたら美しいカールと頂上の展望で満足度は想像以上に高く、来て良かったと思いました。てか、これだけ晴れているのは相当ラッキーなことなのでそもそも登らないともったいなかった。テント場は混んでましたが、両隣の人と仲良くなり色んな話もできて良かったですね。

これは今回の旅に出る直前に知ったのですが、12日夜から13日明け方にかけてがペルセウス座流星群のピークなんですね。なので薬師峠のテント場で夜中の3時頃に起き、テントから顔を出して夜空を眺めたら、天の川を背景に流れ星を10個以上見る事ができました。せいぜい10~15分くらいの間なんですんけどね。明かりの無いところで見れることになるとは。これは思わぬ収穫でした。

2日目となる8/13はいよいよ雲ノ平に向かいます。いったん太郎平小屋に戻り、ここから薬師沢に下っていきます。せっかく2300m以上高度を稼いだのに400mくらい下るので、帰りにこれを登り返すかと思うと今から憂鬱になります。約2時間ほど歩いて薬師沢小屋に到着。ここから雲ノ平への登りは、、、一気に500mくらい急な岩場を登るのでハンパ無く辛かった!!
やっとのことで平坦になると、雲ノ平の入り口にあるアラスカ庭園に着きます。どのへんがアラスカなのかは分からん。ここから木道をテクテク歩いていきます。あまりに疲れていたのであまり景色を満喫する余裕もなく雲ノ平山荘に到着。ここでテント場の手続きをして缶ビールを購入し、テント場に着いて設営後はビールを飲んで石ころの上で寝転がっていました。この時は日焼けの恐ろしさをすっかり忘れていた!

3日目の8/14。日の出前にヘッドランプを点けて祖父岳(2825m)を目指します。祖父岳山頂で日の出を撮影するつもりだったのですが、山頂に着いたらもう日の出後でした。でもここからは360度周りが見渡せて、薬師岳や水晶岳、黒部五郎岳や遠くに槍ヶ岳も拝める素晴らしい展望でした。

そこから岩苔乗越を越え、水晶岳(2986m)を目指します。このへんからやたらノドが渇いてしまい、水は持っていたのですが糖分と塩分がやたら欲しくなり、途中の水晶小屋ではポカリスエット500mmを購入して飲み干してしまいました。水晶岳山頂に向かう道は途中から岩場のトラバースになりますが、山頂に着くとこれまた素晴らしい眺め。雲ノ平を眼下に眺めることができ、遠くに黒部湖や劒岳も見えます。これから向かう鷲羽岳とその先に槍ヶ岳も見え。まさに北アルプスを一望できる場所ですね。

さてさて水晶岳からは南下して、鷲羽岳(2924m)に向かいます。鷲羽岳に向かう途中にあるワリモ岳(2888m)というのがクセ者で、以外と登りがキツいのと、高度感のある岩場のトラバースがあります。結構足に疲労が来ているので辛かった。鷲羽岳山頂からはまたまた絶景が。こちらは眼下に鷲羽池という池があり、これがまた良い味を出していました。でも、山頂に長居すると焼け焦げそうだったので早々に下り始めました。それくらいこのころの日差しはきつかった。雲ノ平への帰り途中は水を節約しながら歩きましたが、ちょうど水場のある岩苔乗越で切れ、水場に下りて補給と同時にガブ飲み。頭の中には甘~いフルーツの幻想が浮かびまくってました。今思えば相当糖分を欲していたと思われる。

雲ノ平への帰りがてら周辺を散策。まず日本庭園に寄ろうと三俣に向かう道を進みましたが、それらしきものが分からず。。。なんとなく花畑で景色の良い場所でお茶を濁す(笑)。でもその帰りに人生初の雷鳥に遭遇! でも雷鳥を見ると天気が悪くなると言う話もあるので、むしろ天気が心配になってしまった。その後スイス庭園やらアルプス庭園やらを散策しましたが、正直、無理やりとってつけたような名前じゃね?と感じてしまいました。途中山荘でラーメンついでにビールを飲んでしまったせいで、感性がおかしくなっていたのかもしれませんが、単純に高山植物の群生などがキレイなのが印象的でした。

最終日となる8/15は朝5:40スタートで一気に折立に。12:40着でほぼ7時間くらいで下りる事ができましたが、麓まで下りて温泉に入って蕎麦を食べたら眠くなってしまい、とても帰りの渋滞に突入できないと察したので、富山市内のホテルを予約して1泊して帰りました。せっかくなので初めてブラックラーメン食べましたが、、、高血圧気味の自分を殺す気か!!と思うほどの塩分量でした。(うまかったけどね)

全日とも天気に恵まれ、景色は最高に良かったのですが、かわりに猛烈な日差しで無対策の顔面と腕が日焼けで真っ黒に。すれ違った方に「黒いですね~!」と言われ、やばい!と思ってもあとの祭り(笑)。
スケジュールはほぼ予定通りこなせた上、さらには13日の明け方に薬師峠キャンプ場でペルセウス座流星群のピークを見れたり、雲ノ平では初めて雷鳥に遭遇するなど、満足度の高い内容となりました。また、テント場でお隣になった方々と色んな話ができ、なかには2週間前の北岳山荘で3つ隣りにテント張ってた方もいて、何か山の神の力を感じてしまいましたね。

雲ノ平は日本最後の秘境と呼ばれているらしいですが、確かに周りの山々から眺めると、不思議な場所だなとは感じます。3~4年周期でしか花をつけないというコバケイソウという高山植物も今年は当たり年だそうで、かなりのお花畑状態でした。他にも道中、様々な高山植物を見かけて、写真を撮ったものを調べたりし始めました。コバケイソウなんかは群生が見た目華やかなのですが、実は毒を持っているというのは帰ってから知りました。写真撮影がもともとのメインというのもありますが、山では周りの色々なものに目が惹かれて、また今まで気付かなかったところにも興味を持ち始めますね。
総行程68.5km、累積標高上り3900m下り3900m。高さで言えば富士山を1合目から頂上まで登って下りてきたくらいのもの。例によって2日後に体重計で測りましたが、体重そのままで体脂肪が約3%減。健康指向の夏休みでした。
天気、流星群、高山植物、雷鳥、そして出会った人々などなど、いろいろとラッキーで良かったです。

例によって動画もYOUTUBEにアップしています。かろうじて流星が写せた。

Global BONSAI Galleries – 2013 Kumonotaira (myportfolio.com)

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